質問しだいで仕事がうまくいくって本当ですか?

無敗営業マンの「瞬間」問題解決法
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質問しだいで仕事がうまくいくって本当ですか?
出版社
出版日
2022年03月17日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

営業活動をがんばっているのに、思うように数字につながらない。上司からは「行動量を増やせ」と言われ、会ってもらえそうなお客様にコンタクトするも、「忙しいから」と断られたり、うまく課題を聞き出せず提案の機会を逃したりしてばかり――。そんな営業パーソンには、本書を強くおすすめしたい。

著者の高橋浩一氏は、8年間にわたってコンペの勝率が100%という、営業のプロフェッショナルである。『無敗営業』シリーズや『気持ちよく人を動かす』などといったベストセラーを連発し、年間200回以上の講演や研修に登壇するなど、多くのビジネスパーソンに支持されている。

そんな著者によると、「仕事をスムーズに進めて相手の納得を得られる人」に共通するスキルは「質問力」だ。なぜなら、相手を深く理解できないと、どうしても自分目線の提案になりがちだからだ。著者自身、質問によって相手との距離を縮め、本音を引き出せる関係を築いた結果、お客様から声がかかるようになったという。

本書は、そんな著者のノウハウが惜しみなく明かされる一冊だ。ストーリー形式になっており、新卒2年目になるマサル、チームリーダーのノリコ、そして2人を導く敏腕マネジャーのカピバラ部長とともに、楽しく学べるようになっている。若手営業パーソンと営業リーダーはもちろんのこと、プレゼンや交渉のスキルが求められるすべてのビジネスパーソンにおすすめしたい。

著者

高橋浩一(たかはし こういち)
TORiX株式会社 代表取締役。東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。事業と組織を統括する立場として、創業から6年で社員数70名までの成長を牽引。同社の上場に向けた事業基盤と組織体制をつくる。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表取締役に就任。これまで4万人以上の営業強化支援に携わる。
コンペ8年間無敗の経験をもとに、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版、シリーズ累計7万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす~共感とロジックで合意を生み出すコミュニケーションの技術~』(クロスメディア・パブリッシング)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇する傍ら、「無敗営業オンラインサロン」を主宰し、運営している。

■無敗営業オンラインサロン https://lounge.dmm.com/detail/2904/
■Twitter @takahashikoichi

本書の要点

  • 要点
    1
    営業活動においては「質問力」が重要だ。質問によって情報を集め、相手の役に立てるようになると、商談の機会が得られやすくなる。
  • 要点
    2
    アプローチの鍵は、「お客様のやりたいことや課題は何なのか」を話題に出して、「お役に立てる可能性」を具体的に伝えることだ。
  • 要点
    3
    質問においては、「きっかけをつくる枕詞」「予防線を張る枕詞」「切り込む枕詞」「踏み込む枕詞」「考えを促す枕詞」の5種類の枕詞を活用するとよい。

要約

敏腕マネジャー、カピバラ部長の登場

カピバラ部長との出会い

まもなく入社2年目になる石川マサルは、全社会議に参加していた。新人賞を取った同期がスピーチをしているところだ。いつの間にこんなに差をつけられたのだろう。

マサルが所属するチームのリーダー、田辺ノリコも、同じく心の中でため息をついていた。新人時代は同期トップの成績で、早々に昇格。しかし「リーダーである自分は売れるが、それ以外のメンバーは伸び悩む」という壁にぶつかったまま、チームは目標未達が続いている。会議を終えた2人は顔を見合わせ、気晴らしに飲みに行こうと決めた。

そんなとき、後ろから「飲みに行くんだったら、僕も一緒にいいかな?」と声をかけられた。マサルとノリコの新しい上司になる、神日原(カピバラ)部長だ。カピバラのような雰囲気でありながら、敏腕マネジャーとして高く評価されている人物である。

本書は、カピバラ部長の指導のもと、マサルとノリコが「質問力」を磨いていくというストーリー形式で進行していく。

お客様に「提案を聞く価値がある」と思わせるには?
anyaberkut/gettyimages

マサルは、ノリコたちから「とにかく訪問件数を増やせ」と言われてがんばっているが、なかなか結果につながらないのが悩みだ。その話を聞いたカピバラ部長によると、マサルは、商談を進めたり、お客様と関係を構築したりするコツがつかめていない。営業活動において何より大切なのは、お客様を喜ばせ、「提案を聞く価値がある」と感じてもらって、商談に持ち込むことだ。

お客様を深く理解し、役に立てると、相手との関係が深まる。すると相手のことをもっと深く知れて、ますます役に立てる――。このサイクルが回っていくと、「具体的な見積もりが欲しい」などと声がかかるようになり、自然と売り上げ目標が達成できるようになるはずだ。

お客様と関係を深めて商談を前に進めるには、「質問力」が鍵になる。カピバラ部長がそう言うと、マサルは「質問してもお客様の反応が悪く、つい一方的に話してしまうんです」と悩みを打ち明けた。

いつの間にか2人は、カピバラ部長の話に身を乗り出している。そんな姿を見た部長は、定期的に「質問力」を上げるための勉強会を開催してくれることになった。

営業で成果を上げる鍵は「質問力」

「お役に立てる可能性」を示すアプローチで商談をつくる

マサルは、お客様にアポイントを打診しても「忙しいから」と断られてしまいがちだ。それに「いつ頃ならお時間できそうですか?」と切り返すと「必要になったときにこちらから連絡します」と言われてしまい、結局アポイントが取れない。

そう相談すると、カピバラ部長は「営業プロセスの第一歩は、お客様のやりたいことや課題に対して、当社サービスがお役に立てる可能性を示すことだ」「アポイントが取れない原因は、お客様から、やりたいことの実現・課題の解決にその営業が役立つと思われていないことにある」とアドバイスしてくれた。

アプローチの鍵は、「お客様のやりたいことや課題は何なのか」を話題に出して、「お役に立てる可能性」を具体的に伝えることだ。例えば「以前参加いただいたセミナーのフォローでお電話する」場合なら、このようになる。

「セミナーのアンケート回答で『集客について課題がある』と書かれていらっしゃいましたが、集客については、今も取り組まれているのですか?」→「今も取り組んでいますが、バタバタしておりまして、うまく進んでいません」

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要約公開日 2022.03.17
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