言葉は人類の発展・文化の相棒だ。“I love you”と大好きな人と人の気持ちをつなげるのも言葉の使命であり、言葉の良さである。
しかし、たった140字のつぶやきが、公開処刑のように人を追い詰めることもある。炎上、売名、本当に嫌な言葉。本来、言葉というのは人と人をつなぐコミュニケーション手段、人間の利器だったはずだ。
著者はイランで生まれ、孤児院で育った。8歳で来日し、ホームレスも経験し、差別やイジメにも遭っていた。社会的弱者でも前向きに生きていける言葉かけをしてほしいとの依頼がきっかけで、本書を執筆した。経験を語ることによって誰かが救われるのであれば、応えてみたい。言葉の本来のチカラ、体験を語り、体験から学んだことを紡ぐ「言葉の花束」をつくってみようと思った。
どんな花束でも、花束を前にすれば、自然と人は微笑む。著者の体験はつらいことのほうが多かったが、それは自分という種の糧となり、花を咲かせ、今がある。
言葉という花材の中には、美しいものも、アクの強いものもある。大きな花束もあれば、ミニ・ブーケもある。著者からアナタへの花束を、受け取ってほしい。
著者は養母フローラを、ある時期に「お母さん」と呼べなくなった。フローラの養子として引き取られ、イランで母子ふたりの生活が始まった頃。引き取られた後、一方的に距離を置き、「お母さん」と言わない時期があったのだ。
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