コロナ禍のテレワークで、仕事が思うようにはかどらないと悩んでいる人は多いだろう。ここでは仕事を効率的に進めるためのセルフコントロール法を紹介しよう。
近年の科学では、人間は「体が先、脳が後」が常識だ。要するに「脳からの指令を受けて体が動く」のではなく「体が動いたあとに脳が反応する」のである。だから、やる気を出すにはとにかく「やる」しかない。やる気を出そうとするのは、はっきり言って無意味な努力だ。
人間の意思決定には環境が影響する。仕事をせざるを得ない環境、したくなるような空間をつくり出す工夫をしよう。ついゲームをしてしまうなら、ゲーム機やスマホを家族に預ける。机に向かうのが嫌なら、有料の自習室を借りたり、仕事に必要なものだけをもってお気に入りのカフェに行ったりするといいだろう。
モチベーションを上げるには、小さな成功体験が有効だ。成功体験がないと、広大な砂漠のなかを1人で歩き続けているような感覚に陥ってしまう。
全体が見えてこない大きな仕事の場合は、「目標を細かく刻む」ことを意識するとよい。自分で細かく目標を設定する「スモールステップ」で仕事を進め、成功体験を積み重ねる。
脳の「報酬系」は、目標の難易度にかかわらず、自分で「やる」と決めた目標を達成すると刺激されるものだ。プロジェクトの成功などといった大きな目標ばかりだと、成功の機会が減ってしまう。それよりも「資料を完成させる」など、毎日の小さなタスクを目標にして、報酬系をこまめに刺激しよう。
テレワークにおいて、昼間の休憩時間を長引かせた結果、深夜まで仕事をしてしまうことはないだろうか。決めた時間だけ休憩を取るためのセルフコントロール法を紹介する。
脳は同じ仕事を続けていると集中力がなくなってしまう。脳をリフレッシュさせるために、休憩はこまめに取ろう。そう考えると、出勤して3~4時間働き、昼休憩を1時間挟んだ後、終業まで4~5時間働くというやり方は望ましくない。学生時代のような、授業の間に短い休憩を取るスケジュールが理想的だ。
特に学習・習熟を必要とする仕事は、こまめに休憩を取ることが効果的だという実験結果がある。
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