武器になる話し方

未読
武器になる話し方
武器になる話し方
著者
未読
武器になる話し方
著者
出版社
ダイヤモンド社

出版社ページへ

出版日
2021年12月07日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

90万部を突破した大ベストセラー『超一流の雑談力』の著者、安田正氏の最新刊が登場した。今作のテーマは「話し方」。著者は「話し方だけで人生が変わる」と断言している。

日本では一般的に、相手の思いを汲み、相手にうまく合わせることがよしとされる機会が多いように思う。だが、年齢を重ね、出会う人の数が増えていくうちに「この人は私と考え方が違うな」「感情よりも論理を優先させるのか。だから私とは違う答えになるのか」などと気づく機会もまた増えるものだ。そこで「適当に話を合わせておこう」「考え方が違うからこの人とは合わない」と、関係構築を諦めてしまうのはもったいないと思う。

関係構築においては、丁寧なコミュニケーションが欠かせない。話しかけてみて、相手の言葉を受け止め、また質問し、自分のことも開示して……の繰り返しである。本書では、こうしたコミュニケーションにおいて役立つ「話し方」「聞き方」が多く紹介されている。

著者はもともとあがり症で、国語の授業であてられても音読ができず、社会に出て営業に配属されたときは絶望したほどだという。しかし「話し方」「聞き方」を研究することで、少しずつ自信が持てるようになり、気づくと研修の講師を務めるまでになっていたそうだ。著者の人生を変えた「話し方」のノウハウを、ぜひ本書で学んでほしい。

著者

安田正(やすだ ただし)
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。1990年法人向け研修会社パンネーションズを起業。現在は英語、ロジカル・コミュニケーション®、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。大手企業を中心に研修、コンサルティングを通して多くの役員との交流がある。東京大学、早稲田大学、京都大学、一橋大学などでも教鞭をとる。元早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授、元オスカープロモーション所属。
主な著作としては、シリーズ累計90万部『超一流の雑談力』(文響社)、『英語は「インド式」で学べ!』(ダイヤモンド社)、『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』(三笠書房)、『超一流の強運力』(ポプラ社)、『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)、『1億稼ぐ話し方』(フォレスト出版)、『会話のうまさで人生は決まる!』『ロジカル・コミュニケーション®』(ともに日本実業出版社)、『言いたいことが確実に伝わる17秒会話術』(明日香出版社)、『超一流のトーク力』(プレジデントムック:プレジデント社)、『一流役員が実践してきた 入社1年目から「できる人になる」43の考え方』(ワニブックス)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    会話をするときに重要なのは、話し方よりも聞き方である。特に気をつけるべきは、相手の話を否定せず「たしかに」「そうなんですね」「わかります」などといった言葉で受け止めることだ。
  • 要点
    2
    初対面の会話では「プチ自己開示」を活用しよう。相手の反応によって、そのあとの話題を選べばいい。
  • 要点
    3
    話題を変えたいときは、相手の話題に乗りつつ、ちょっとだけ軸をずらすのが有効だ。その上で「相手の話題を停止させる質問」をすれば、相手の気持ちを損ねることなく別の話題に移れる。

要約

あなたの話し方の、何が問題なのか?

「つなぎ言葉」で受け止めながら聞く
pixelfit/gettyimages

話し方で一番重要なことは、「いかに上手にしゃべるか」「言いたいことをどう言うか」ではない。話の受け止め方、すなわち聞き方だ。聞き方がしっかりしていれば、会話で失敗することはない。

よくある聞き方の例を見てみよう。

「先日の件、あれだけ時間をかけて練り上げたのだから、最初の企画を通したいですよね」→「でもさ、現実的には難しいよ」→「……」

このように、聞き手が話し手の言葉に対して「いや……」「でもさ……」などと否定から入ってしまう場合がある。自分の発言を否定されたら、「わかってもらえない」「話してもムダだ」「この人とは仲良くなれない」などと感じるだろう。その結果、相手の話が耳に入ってこなくなり、最終的には感情的になったり、話がこじれてしまったりする。

こうした事態を防ぐためには、「相手の気持ちを受け止めるつなぎ言葉」を使うとよい。相手の言葉に反論したくても、まずは「たしかに」「そうなんですね」「わかります」などといった言葉で受け止める。こうした言葉が聞けると、相手は安心できるし、そのあと反対意見が出てきても受け入れやすくなる。

先ほどの会話も、聞き方を変えれば次のようなものになるだろう。

「先日の件、あれだけ時間をかけて練り上げたのだから、最初の企画を通したいですよね」→「たしかになぁ。たいへんだったよね。特に君はよくがんばっていたね」→「そうなんですよ。……もちろん現実的には難しい部分もあるかもしれないですけど」→「そうだね、もう一工夫が必要かもね」

また意見交換や議論の場では、「……ああ、今の話は勉強になったなぁ」と自分につぶやくように締めくくる技が有効である。相手に安心感と「認められた」という満足感を与えることができ、話し合いが円滑に進むだろう。

最後の「なんちゃって」で崩す

明快で論理的に、わかりやすく話すことは重要だ。だが最初から最後まで明快で論理的だと、相手が反論したり発言したりする余地がなく、「イヤなやつ」という印象を与えかねない。

そのような印象を与えないためには、論理的な説明のあとに「……なんてね」「……なーんて考えてるんですけど」「……って思ったりするんですけど、どう感じます?」など、柔らかい印象の語尾をつけるとよい。そのあと、相手の意見を聞くようにする。

人間は、最後に受け取った情報に注目するという特徴がある。だから、最後にやわらかさを加えてソフトな印象にすると、話を受け入れてもらいやすくなるのだ。

このテクニックは、特にこちらが「正論」を言っている場合ほど効果を発揮する。攻撃的な印象にならないように、ソフトに「なんちゃって」と言ってみよう。

【必読ポイント!】 相手との距離を縮める話し方

「整理オウム返し」で相手を驚かせる

聞き方のテクニックとして、「整理オウム返し」を紹介しよう。通常のオウム返しは、相手が言ったキーワードを拾って繰り返すものだ。一方「整理オウム返し」は、相手と一字一句同じ言葉を使う。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2420/3673文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2022.03.29
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
セルフコントロール大全
セルフコントロール大全
堀田秀吾木島豪
未読
すごい雑談力
すごい雑談力
松橋良紀
未読
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
デイヴィッド・S・キダーノア・D・オッペンハイム小林朋則(訳)
未読
ハーバードの 人の心をつかむ力
ハーバードの 人の心をつかむ力
ローラ・ファン栗木さつき(訳)
未読
説明組み立て図鑑
説明組み立て図鑑
犬塚壮志
未読
仕事は1冊のノートで10倍差がつく
仕事は1冊のノートで10倍差がつく
鈴木進介
未読
またすぐに! 会いたくなる人の話し方
またすぐに! 会いたくなる人の話し方
野口敏
未読
ゆるFIRE
ゆるFIRE
アラサーdeリタイア管理人 ちー
未読