著者は、思考を整理するためにノートを使う。インプットした情報を整理して自分なりの考えを持つには、ノートが最適だと考えているからだ。
ノートに書き出すと、落ち着いた気持ちで適切なアウトプットができる。その結果、複雑性を増す時代においても、ノイズに邪魔されることなく、スピーディーに成果を勝ち取れるのだ。
脳内の情報を外に出すことをブレインダンピングと呼ぶ。ノートを使ったブレインダンピングは、次の3つの観点から有効だ。
1つ目は、マインドフルネスだ。マインドフルネス(今この瞬間に集中する技術)の1つに、ジャーナリング(書く瞑想)という考え方がある。頭の中にあることを紙に書き出すことで自分や物事を客観視し、新たな気づきが得られる。ストレスを軽減でき、前向きな思考に切り替えられる効果もある。
2つ目は、見える化だ。頭の中であれこれ考えていると、堂々巡りになり、モヤモヤしてしまいがちだ。ノートに書き出せば、考えが整理しやすくなる。
3つ目は、客観視だ。考えや感情を頭の外に出して文字にすることで、客観的にとらえられるようになる。
「ノートに書くといいのはわかるけど、面倒なんだよね。スマホでメモするのはダメなの?」と思う人も多いだろう。著者の答えは「目的に応じて使い分ける」「思考するにはノートがいい」だ。
情報のストックを目的とする場合には、スマホやPCが便利だ。メモをコピペして資料作成に使えるし、検索性にも優れている。
一方、思考を整理するときや、整理して正解を導き出したいときには、ノートへの手書きがよい。図を使いながらスピーディーに整理できるし、手で書くことで脳が刺激され、発想が豊かになる。
スマホがダメなわけではない。目的やシーンに合わせて使い分けることが重要だ。
著者はこれまで、さまざまなノート術を試してきた。その経験からすすめるのは、すべてを1冊のノートにまとめることだ。
ノートを分けると、情報が散らばってしまって頭の整理がしにくくなるし、数冊のノートを持ち歩くのは現実的ではない。一方、一冊の中にすべてを書くようにすると、今の自分の状態が見えやすくなるため、内省につながり、次の行動を考える上での気づきを得られるようになる。
一冊のノートにまとめる際のポイントは3つある。
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