電機メーカー・パナソニック(旧社名・松下電器産業株式会社)の特別顧問である谷井昭雄氏が、事業報告で創業者の松下幸之助会長に初めて会ったときのことだ。事業部長の説明を聞き終えた松下会長は、谷井氏に「君、技術屋か」と聞いた。そして、品質管理も大事だがそれよりも大事なのは「人質(じんしつ)管理」だと語ったのだという。「松下電器は人をつくる会社である」という一貫した思いから、松下会長は若い技術者を「人質管理」という言葉で諭したのだ。当時の谷井氏にはこの言葉の意味が深く理解できなかったが、後々の体験、とりわけ失敗を通じて実感したという。
さらに、松下会長は「君、製品を抱いて寝たことがあるか?」と谷井氏に問いかけた。抱いて寝れば、製品がものを言うのだという。そこまでの気持ちで製品開発を行えば、どうすれば製品がさらによくなるかを悟るはずだということだ。そこまでいかなければ本当の製品はできないのである。
昭和49年頃、ビデオテープレコーダー事業で赤字に苦労していた谷井氏は、「赤字というのはな、人間の体で言うたら血を流してるんや」と優しい言葉で松下会長から叱られたという。出血を止めなければ死んでしまうのだから、止めなければならない。優しい言い方だが厳しい言葉にこたえたという。
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