「世界基準」で動け

新時代の人生サバイバル戦略
未読
「世界基準」で動け
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「世界基準」で動け
出版社
出版日
2022年02月01日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「家と会社を往復するだけの日々」という閉塞感を表す言葉がある。新型コロナウイルスが世界的に拡大して以降、さらなる閉塞感を感じているビジネスパーソンは少なくないはずだ。リモートワークができる環境であるがゆえに「家から一歩も出ない日々」を過ごしている人もいるだろう。

そんな大きな変化の中では、「自分はこの先も生き残っていけるのか」と不安になりがちだ。何か新しい一歩を踏み出したいと思うなら、本書をおすすめしたい。もし本書を読んで、自分の心が動かされるならば、あなたはきっと「見晴らしの良い場所」に立ちたいと願っているのだろう。

私たちは油断すると、自社でしか通用しないルールや働き方ばかりを覚えてしまう。それが不合理であったり非効率であったりしても、現場の頑張りでなんとかしようとする。そうやって歳をとると、ますます自社以外で働くのは難しくなってくる。たとえ転職を視野に入れていないとしても、これでは今の会社でも良い働きができるか疑問だ。

よりよく働きたい、仕事を通して社会に貢献したいと思ったら、本書のおすすめするように外の人と触れる機会を持たなければならないのかもしれない。社会とは、自分の働いている組織だけでも、日本だけでもない。ときには国外も視野に入れ、さまざまな人と議論できるようになったら、閉塞感を感じることもないはずだ。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

山本康正(やまもと やすまさ)
1981年、大阪府生まれ。東京大学大学院で修士号取得後、三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)米州本部に就職。その後、ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。修士課程修了後にグーグル株式会社に入社。大企業の幹部に対し、テクノロジーを活用したビジネスモデル変革等のDXを支援する。現在はベンチャー投資家として活躍。日本企業やコーポレートベンチャーキャピタルへの助言なども行う。京都大学経営管理大学院客員教授。プロ野球のパ・リーグをデジタル技術等で支援するパシフィックリーグマーケティング株式会社にて、テクノロジーアドバイザー。著書に『情報の選球眼――真実の収集・分析・発信』(幻冬舎新書)、『世界を変える5つのテクノロジー――SDGs、ESGの最前線』(祥伝社新書)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本の「失われた30年」の一因は、英語力の欠如だ。
  • 要点
    2
    世界で活躍する優秀なビジネスパーソンは、高いコミュニケーション能力と謙虚さを兼ね備えていることが多い。
  • 要点
    3
    活躍できるビジネスパーソンであり続けたいなら、まずは外に出ることだ。違う国や文化、環境で育った人と言葉を交わし、新しい価値観に触れよう。
  • 要点
    4
    夢やミッションは誰かに与えられるものではなく、自分から行動した結果、初めて見えてくるものだ。未知のことに足を踏み入れる時は「どうせ」ではなく「もしかしたら」と考えたほうがいい。

要約

今、世界で求められる人材は?

「失われた30年」は英語力不足から

現在の日本の世界での立ち位置を考えてみよう。日本のGDP(国内総生産)はアメリカ、中国に次いで世界3位だ。この順位から「日本はまだ先進国だ」と思う人もいるだろうが、経済成長率は先進国の中で最下位であり、政府債務もGDP比では世界3位と最低ランクだ。

スマートフォンなどの多様なデバイスが私たちの日常生活を変えたのに、業務ではいまだに紙や印鑑を必要としている。デジタル行政は明らかに周回遅れだ。

今、日本は世界の潮流から外れ、取り残されている。この「失われた30年」の大きな原因の一つは英語力の欠如だ。1990年代にインターネットが世界に広く普及し、英語圏の情報にアクセスすることが、世界の最新情報を掴む最適解となった。リアルタイムで情報を得るためには、英語力が不可欠なのだ。もし英語でコミュニケーションができるビジネスパーソンをたくさん育成できていれば、世界の潮流をいち早く取り入れ、ここまで経済停滞が長引くことはなかっただろう。

世界の最先端企業が求めている人材とは?
SDI Productions/gettyimages

2013年に米グーグルに入社した著者が考える、優秀なビジネスパーソンに共通するスキルは、高いコミュニケーション能力と謙虚さだ。

コミュニケーション能力とはたんに口が上手かったり、プレゼンテーションが得意だったりすることではない。新しい領域でも億劫がらずに学ぶ感性・瞬発力・理解力・咀嚼力、そして理解した後に相手に伝えるためのプレゼン力が複雑に絡み合った能力だ。

また、優れて賢い人ほど、「上には上がいる」ということを理解しており、自分を大きく見せようとすることもなく、謙虚であるものだ。

学ばなければならない局面では自律的に学び、専門外の領域では謙虚に教えを乞う。国境を越えて活躍できる人は、この2つを兼ね備えている。

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要約公開日 2022.04.08
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