これまで安定とは、大きな企業や組織に所属することだった。公務員になったり大企業に入ったりすれば、クビになることはない。給料は入社年数に比例して上がり、昇進もできる。定年まで勤めると退職金が支給され、悠々自適な老後が過ごせた。
しかし今や、時代は変わりつつある。「安定した企業」は幻想なのだ。
今の時代に安定を手に入れたいなら、「仕事に探される人」になる必要がある。そのためには、目の前の仕事に真摯に向き合って「成果を出す」ことが大切だ。それが自分の価値につながる。
著者は短大を卒業後、新卒で地方のホームセンターへ入社し、レジ打ちからキャリアをスタートした。その後、リクルートや楽天の子会社、上場間近のベンチャー企業などに転職し、営業部長や事業統括などを経験。新卒時の年収は240万だったが、30歳で1000万を超え、さまざまな企業から転職のオファーをもらえるようになった。
高学歴でもなく、裕福な家庭で育ったわけでもない著者がこうした結果を出せたのは、目の前の仕事に全力を尽くし、会社の売り上げや自分の価値について考え続けてきたからだ。目の前の仕事の成果を最大化するにはどうすればいいか、どうすれば会社の売り上げに貢献できるかを考えることが、自分の経験になり、価値になる。そうした経験を積んだ人は、どこの会社からも必要とされる。
仕事で活躍する人は、成果を生み出し、「会社の成長」に貢献している。会社は、「育ててもらう場」ではなく、「自分の価値を提供し、売り上げを作る場」だ。どの会社でも活躍できる人材になるには、会社に与えてもらうのではなく、自ら仕事を生み出す姿勢が必要である。
著者自身、自分の入社した会社を成長させるために働き、売り上げにつながる行動をしてきたことで、自分の市場価値が認められたと思っている。
誰もやりたがらない仕事は、信頼を得るチャンスだ。著者が新卒で入社したホームセンターでは、新入社員が毎年、「ポイントカード」の入会キャンペーンを担当していた。とはいえ、未達成でも何のお咎めもない。先輩社員も力を入れて指導することなく、全員が「やらされ仕事」として取り組んでいた。
そこで著者は「2倍の入会者数を達成してみます」と言い放ち、店長や本社の人に話を聞いて回った。
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