ビジネスにおいて、絶対に成果が出る正解というのは、もはや幻想だ。「誰もが思いつく実現可能な選択肢」を選ぶだけでは、人が無価値になる時代がやって来るだろう。その傾向は、さらなる情報化の進展やSNSの普及、AI化などによって、拍車がかかっていくはずだ。
一方、日本の市場を目指す海外企業は増えている。今後、さらにグローバルな競争が激しくなる。
誰もが到達し得る正解を出しても競争には勝てない。誰もやらないような創造的な打ち手を繰り出さなければ、勝負にならない。たとえ正解で勝ったとしても、価値を維持できず、一瞬のうちに実像が虚像になる。正解は幻だ。
これからは、正解を出すことに頭を使うのではなく、自分の答えを考えるために頭を使うことが求められる。自分の答えを正解にする力、問いを発見する力、誰も思いつかない他の方法論を考える力に長けた人が生き残る時代だ。問題を自分で見つけ、自分なりの答えを生み出し、検証する力が必要となる。
「個性のある答え」があふれる世界のほうが豊かだ。イノベーションは多様性から生まれる。個々人独自の観点で問題を発見し、答えを考えたほうが、突然変異は格段に生まれやすい。つまり、イノベーションは「別解」から生まれる。
別解は、大勢が考えつくこととは「別のこと」であるため、そもそも個性、オリジナリティの要素が出る。結果を生み出すプロセスだけでも自分の個性が発揮できる。
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