大量のTo Doに対応しようと思ったら、クライアントから仕事の依頼が届いた。さっそく取りかかろうとすると、「テレビ会議があと1時間で始まります」と通知メールを受信。あわてて会議の準備を始めた瞬間、スマホにニュースサイトからの通知が届く。無視して仕事に集中しようとしたのに、友人から「久しぶりに飲みに行こう」と連絡がきた――。このように、わたしたちの頭の中は、あっという間にノイズにハッキングされてしまう。放っておくと、ノイズに押しつぶされてしまいそうな勢いだ。
この問題を解決するには、頭の中のノイズを減らし、スペースを空けてあげればいい。ノイズを減らせば、思考に“よはく”が生まれ、大切なことだけに集中できて、ストレスなく行動できるようになるだろう。
本書で紹介する「頭の中によはくをつくる思考法」は、すべてのことに全力を尽くし、すべてを手に入れようとするものではない。基本は「より多く、よりよく」から「より少なく、よりよく」への転換だ。限られたリソースの中で最大のパフォーマンスを出すために、「自分が今、集中すべき大切なことは何か?」を考える余裕をつくり出そう。
原則(1)は、自分の本質を明確にすること。自分の本質とは「自分が最も大切にしている価値観、心から好きなもの、最も影響が大きいこと」から構成される「自分らしさ」だ。自分の本質を明確にすれば、本質にかかわること以外はすべてノイズだと判断でき、やるべきことの優先順位がつけられる。
自分の本質を明らかにするには「自問自答」が有効だ。
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