マーケティングほど顧客に関わる仕事はない。収益性の高い顧客との関係をいかに構築するか。これを実現するには、新しい顧客を開拓し、既存顧客との関係性を維持することが求められる。ただし今日においては、顧客に「売り込む」という感覚ではなく、顧客の「ニーズを満たす」という感覚をもたなくてはならない。
本書ではマーケティングを、「顧客が求める価値を創造し、強固な顧客リレーションシップを築き、その見返りとして顧客から価値を得るプロセス」と定義する。このプロセスは、市場と顧客のニーズを理解することから始まる。そのうえで顧客価値を主導するマーケティング戦略を設計する。具体的には、統合型マーケティングプログラムを策定することになる。これにより、顧客エンゲージメントと収益性の高い顧客とのリレーションシップを構築し、そのリターンとして顧客からの価値を得る。マーケティング・プロセスはこれら5つのステップで構成される。
市場は多様な消費者、製品、ニーズで構成される。自社にとって最良の戦略を実現するためには、市場セグメントの細分化が求められる。そのうえで最良のセグメントを選定し、そのセグメントに対応して収益をあげる戦略を構築しなければならない。このプロセスは、市場細分化、市場ターゲティング、差別化、ポジショニングから成り、顧客価値主導型マーケティング戦略を策定する際の主要ステップとなる。
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