コトラーのマーケティング入門【原書14版】

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マーケットは、消費者のニーズやウォンツによって常にダイナミックに動いている。その変化を捉えて新たなウォンツを創り出すために、マーケティングも常に進化を遂げてきた。一方、マーケティングには普遍的な本質の要素もある。この双方をとらえ、丁寧かつ的確な説明でまとめ上げた教科書的な一冊が本書である。

執筆陣は、「近代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラーをはじめとする豪華なメンバーで、監訳者は日本のマーケティング研究の第一人者である恩藏直人氏だ。コトラーの著書といえば、世界中のビジネススクールで最も広く用いられている『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』を思い浮かべる読者も多いと思うが、『コトラーのマーケティング入門』はそこへ至るための土台を固めるのに最適な一冊といえる。

また事例も豊富で、エミレーツ航空、アップル、ロレックス、Airbnb、パタゴニア、ネットフリックスなど、有名企業のマーケティング戦略の真髄にふれられる。頷きがとまらなくなること請け合いだ。

マーケティングは企業活動の根幹であり、すべてのビジネスパーソンにとって有益な知識である。本要約では、普遍的なマーケティングの本質を構成する要素や特に重要とされる考え方、デジタル・マーケティングなどのトレンドの一部を取り上げている。本書を通じて、コトラーたちが描き出した体系的な「知のマップ」にふれていただきたい。自社のマーケティング戦略を振り返り、進化させるうえで有用な一冊であることはまちがいない。

ライター画像
たばたま

著者

フィリップ・コトラー(Philip Kotler)
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院名誉教授。同校にてインターナショナル・マーケティングのS・C・ジョンソン&サン特別教授を経る。シカゴ大学で経済学修士号を、マサチューセッツ工科大学で経済学博士号を取得。同氏の第16版となる著書『Marketing Management』は、世界中のビジネススクールで最も広く用いられているマーケティングの教科書である。他に60冊以上の名著があり、主要学術誌への寄稿も150を超える。
『Journal of Marketing』誌の年間最優秀論文に贈られるアルファ・カッパ・サイ賞については、他に例を見ない3度の受賞を経験している。

ゲイリー・アームストロング(Gary Armstrong)
ノースカロライナ大学チャペルヒル校のキーナン=フラグラー・ビジネススクール学士課程のクリスト・W・ブラックウェル特別名誉教授。デトロイトのウェイン州立大学で経営学の学士号と修士号、ノースウェスタン大学でマーケティングの博士号を取得。主要ビジネス誌に多数の寄稿がある。コンサルタントとして、また研究者として、さまざまな企業マーケティング調査、セールス・マネジメント、マーケティング戦略に携わっている。

マーク・オリバー・オプレスニク(Marc Oliver Opresnik)
スイスのビジネスススクールの代表格であるザンクトガレン経営大学院(SGMI)の理事、また、リューベック応用科学大学の経営学教授のほか、ケンブリッジ大学ジャッジ・ビジネススクール、ロンドン・リージェンツ大学、上海の華東理工大学(ECUST)などの国際的な大学で客員教授を務める。10年にわたりシェル・インターナショナル・ペトロリアム社の上級管理職、そしてマーケティング管理者として勤めた経験を有している。

本書の要点

  • 要点
    1
    マーケティングは「顧客が求める価値を創造し、強固な顧客リレーションシップを築き、その見返りとして顧客から価値を得るプロセス」と定義できる。
  • 要点
    2
    顧客価値主導型マーケティング戦略を策定する際の主要ステップは、市場細分化、市場ターゲティング、差別化、ポジショニングから成る。
  • 要点
    3
    価格設定においては、価値に対する顧客の知覚、企業のコスト、競合他社の戦略を理解することが重要となる。

要約

マーケティングとは何か?

マーケティングの定義とプロセス

マーケティングほど顧客に関わる仕事はない。収益性の高い顧客との関係をいかに構築するか。これを実現するには、新しい顧客を開拓し、既存顧客との関係性を維持することが求められる。ただし今日においては、顧客に「売り込む」という感覚ではなく、顧客の「ニーズを満たす」という感覚をもたなくてはならない。

本書ではマーケティングを、「顧客が求める価値を創造し、強固な顧客リレーションシップを築き、その見返りとして顧客から価値を得るプロセス」と定義する。このプロセスは、市場と顧客のニーズを理解することから始まる。そのうえで顧客価値を主導するマーケティング戦略を設計する。具体的には、統合型マーケティングプログラムを策定することになる。これにより、顧客エンゲージメントと収益性の高い顧客とのリレーションシップを構築し、そのリターンとして顧客からの価値を得る。マーケティング・プロセスはこれら5つのステップで構成される。

【必読ポイント!】 マーケティング戦略とマーケティング・ミックス

市場を慎重に分析する
Rudzhan Nagiev/gettyimages

市場は多様な消費者、製品、ニーズで構成される。自社にとって最良の戦略を実現するためには、市場セグメントの細分化が求められる。そのうえで最良のセグメントを選定し、そのセグメントに対応して収益をあげる戦略を構築しなければならない。このプロセスは、市場細分化、市場ターゲティング、差別化、ポジショニングから成り、顧客価値主導型マーケティング戦略を策定する際の主要ステップとなる。

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要約公開日 2022.05.26
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