NEW SALES

新時代の営業に必要な7つの原則
未読
NEW SALES
NEW SALES
新時代の営業に必要な7つの原則
未読
NEW SALES
出版社
ダイヤモンド社

出版社ページへ

出版日
2022年06月07日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

営業だけはやりたくない――そう思っている人もいるかもしれない。本書の著者、麻野耕司氏が「営業はやりたくない」という人たちに理由を聞いてみると、「毎日、同じ商品を同じように説明していてツマらない」「行動量ばかり重視されてキツい」「精神論重視でダサい」といったネガティブな意見が挙がったという。だが、このイメージはもはや古いものになりつつあると言わざるを得ない。

著者は本書で、古い営業「OLD SALES」から新しい営業「NEW SALES」へと移行する必要性を強く主張する。「NEW SALES」のキーワードは「7つのS」だ。これは、現場で働く営業担当者向けの「Story」「Surprise」「Scenario」「Sympathy」と、組織を動かす営業管理職に向けた「Share」「Score」「Significance」の頭文字を合わせたものである。「Surprise」は「『挨拶』ではなく『驚き』を届ける」、「Share」は「『属人的なチーム』ではなく『再現性のあるチーム』をつくる」といった具合に、それぞれのSにはキャッチがつけられており、営業担当者なら誰でもワクワクするに違いない。

本書を読めば、多くの営業パーソンは、自分の営業スタイルが既に古びてしまっていることに気づかされるだろう。そして、「NEW SALES」への一歩をスムーズに踏み出せるはずだ。

また「OLD SALES」から「NEW SALES」への転換の考え方は、営業だけでなく、他の業務にも役立つものである。ぜひ自らの業務に当てはめながら読み、成果アップや組織活性化に役立ててほしいと思う。

著者

麻野耕司(あさの こうじ)
株式会社ナレッジワーク CEO
1979年兵庫県生まれ。2003年慶應義塾大学法学部卒業。同年、株式会社リンクアンドモチベーション入社。2010年、中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に最年少(当時)で着任。気鋭のコンサルタントとして、成長企業の組織変革を手掛ける。2016年、国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げ、多数の大手企業に導入。国内HRTechの牽引役となる。2018年同社取締役に就任。2020年、「できる喜びが巡る日々を届ける」をミッションに、株式会社ナレッジワークを創業。2022年、「みんなが売れる営業になる」を実現するセールスイネーブルメントクラウド「ナレッジワーク」をリリース。営業ナレッジの展開や営業ラーニングの提供を通じた、営業生産性の向上や営業力強化を支援する。主な著書は『THE TEAM』(幻冬舎)、『すべての組織は変えられる』(PHP研究所)。

本書の要点

  • 要点
    1
    「ストーリー営業」とは、顧客の「理想」と「課題」を見つけ出し、それを自社の商品・サービスに関連させて伝える営業スタイルだ。
  • 要点
    2
    現代においては、顧客に「気付き」や「驚き」を提供する「サプライズ営業」ができなければ、商談のアポイントさえもらえない。
  • 要点
    3
    「できる上司の背中を見て学ぶ」スタイルは時代遅れだ。営業ナレッジを共有し合い、成果に再現性を持たせる「シェア営業」を目指すべきである。
  • 要点
    4
    「経験」と「勘」に頼る時代は終わった。これからの営業組織は、データを用いた「スコア営業」に変わる必要がある。

要約

Story:「商品」ではなく「物語」を売る

OLD SALES:顧客に「商品」を売り込む営業

かつて営業の仕事は、自社の商品・サービスの機能や性能に関する情報を顧客に提供することが中心だった。このような営業を「プロダクト営業」と呼ぶ。

1980年代になると、商品やサービスを用いた課題解決を提案する「ソリューション営業」が主流となっていった。インターネットが普及したことで、顧客はウェブ上で簡単に情報を得られるようになったからだ。

だが現在の営業の世界では、ソリューション営業も通用しなくなりつつある。どの会社も「御社の課題はなんですか?」と問い掛けるため、差別化につながらないからだ。また、顧客が自社の課題を把握できていない場合は、いくら問い掛けても答えは出てこない。これからの時代は、「ソリューション営業」からさらに一歩踏み込んだ、新しい営業スタイルへと移行する必要がある。

NEW SALES:顧客の「願望」を実現する「ストーリー営業」
courtneyk/gettyimages

顧客は「願望の実現」のために商品・サービスを買う。これからの時代に求められる営業とは、顧客の願望を実現できる営業だ。そのような営業になるには、顧客が真に望む「理想」と「課題」を見つけ出し、自社の商品・サービスに関連させて伝えることが必要となる。本書ではこのような手法を「ストーリー営業」と呼ぶ。

ストーリー営業は「理想→課題→価値→方法」の4ステップに分解できる。これを見事に表現した例として、転職サービス「ビズリーチ」のテレビCMがある。

社長「どうせまぁ、大した候補はいないんだろう」(課題)

社長「これはすごい経歴だ。即戦力じゃないか。こっちはライバル会社。これも、これも、これも……。いったいどうしたんだ」(理想)

社長「おい、君、いったいどうしたんだ?」

部下「ビズリーチ!」

ナレーション「中途採用でも優秀な人材に出会えます」(価値)

ナレーション「即戦力採用ならビズリーチ」(方法)

あなたは、自分の営業する商品・サービスの「理想→課題→価値→方法」を明確に伝えられるだろうか。もしできないなら、30秒のテレビCMの絵コンテを自分で描いてみるといいだろう。

Surprise:「挨拶」ではなく「驚き」を届ける

OLD SALES:顧客のご機嫌うかがい営業

営業は足で稼ぐ仕事。顧客先に足しげく通って緊密な人間関係をつくることが大切だ――。そんな印象を持っている人も少なくないはずだ。

もちろん顧客との接触は必要だが、「近くまで来たので挨拶にうかがいます」というやり方は既に時代遅れである。用事もないのに顧客の時間を奪うのは逆効果だ。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2420/3498文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2022.07.11
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
ノイズに振り回されない情報活用力
ノイズに振り回されない情報活用力
鈴木進介
未読
スタンフォードの眠れる教室
スタンフォードの眠れる教室
西野精治
未読
新時代の営業「変わること」「変わらないこと」を1冊にまとめてみた
新時代の営業「変わること」「変わらないこと」を1冊にまとめてみた
横山信弘
未読
未来実現マーケティング
未来実現マーケティング
神田昌典
未読
無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
高橋浩一
未読
誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法
誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法
大嶋信頼
未読
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)2
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)2
リンダ・グラットン池村千秋(訳)アンドリュー・スコット
未読
スモールビジネスの教科書
スモールビジネスの教科書
武田所長
未読