TikTokはByteDance社が運営するSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)だ。2016年に中国でリリースされていたアプリの国際版として、2017年に日本でも提供を開始した。リリース当初は若者向けのアプリと認知されていたが、現在はさまざまな年齢のユーザーがいる。
ビジネス活用も拡大中だ。TikTokがきっかけとなって商品やサービスがヒットする「TikTok売れ」も発生している。
「TikTok売れ」の事例として、大塚製薬株式会社の「ファイブミニ」を紹介しよう。あるとき、ファイブミニがコンビニでよく売れるようになった。その原因を調べたところTikTokユーザーがファイブミニを紹介した動画が拡散されていることがわかった。そこで大塚製薬はインフルエンサーを起用した広告を出稿し、さらなる売上アップを実現した。
TikTokには3つの利用価値がある。
1つ目は、TwitterやInstagramとは異なり、従来の情報発信でリーチできなかった人を振り向かせられることだ。TikTokで一番よく見られている「おすすめ」フィード(タイムライン)は、アプリ起動時に表示され、フォローの有無にかかわらず、ユーザーの好みや興味に合わせて動画が流れてくる。つまり、フォロワーでない人に対しても情報を届けられるのだ。
2つ目は、潜在顧客に情報を届けられることだ。レコメンドシステムによって、「その情報に興味がありそうな新規ユーザー」に情報が届くため、潜在顧客にアプローチできる。
3つ目は、競合から乗り換えてもらうきっかけを作れることだ。たとえば、調味料メーカーA社を好きなユーザーがいたとする。TwitterやInstagramでA社のアカウントをフォローしていると、そのユーザーの目に触れる調味料メーカーはA社だけだ。
ところがTikTokでは、A社のファンが見ている料理コンテンツと合わせて、A社、B社、C社の情報も自動的に表示される。TikTokを活用することで、他社のファンにリーチでき、乗り換えや購買のきっかけを作れるのだ。
冒頭でも紹介した通り、近年、TikTokのビジネス利用が拡大している。TikTokをビジネス利用すべき理由は3つある。
1つ目は、短い時間で多くの情報を伝えられることだ。ある調査によると、1分間の動画の中には、3600ページ分のWebページと同程度の情報量が含まれていることがわかっている。最長10分の動画を投稿できるTikTokでは、膨大な情報を伝えられるのだ。
2つ目は、新規ユーザーを獲得しやすいことだ。「おすすめ」フィードに掲載されれば、フォロワー数が少なくても新規ユーザーを獲得できるチャンスがある。
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