不安は人生のパートナーだ。いつもそばにいて、時にそっと、時に激しく、私たちの心を揺り動かす。
不安があると落ち着かない気分になるため、たいていの人は不安をなくすために行動する。でも、無理に追い払おうとしないでほしい。不安はあなたに行動を起こさせる大きな原動力となるからだ。テスト前に勉強するのは、不安が「早くしないと大変なことになるよ」と急かすからだろう。「勉強しないと大変なことになりそうだ」という不安を覚えるからこそ、あなたは冷たい水で顔を洗い、机に向かう。
心配し、行動するからこそ、私たちは何事もなく生きていける。でも、心配するのがクセになっていないだろうか?
あなたもそろそろ気づいてほしい。心配していることのほとんどは起こらないのだ。でも逆説的には、それが人生の悲劇となる。
心配性の人々は「何事も起こらなかったのは、不安に震えながら心配して準備を整えていたおかげだ」と思い込んでしまう。心配していることが起こらないように、とんでもない金額でお守りを買い、「うまくいったのはお守りのおかげだ」と信じる人もいるだろう。
暇つぶしに見てもらうタロットカード、新聞に載っている今日の運勢、雑誌の後半に出てくる星占い――。私たちは、よくよく見ればありきたりな、たいして意味のない言葉に救いを求めようとする生き物だ。その理由は、心配している間は不安がやわらぐからに他ならない。
不安でたまらなくなったら、行動を起こそう。待っている連絡がこないとき、何があったんだろうと想像して不安を募らせるぐらいなら、自分から連絡すべきだ。
不安にとらわれがちなら、毎日30分、ノートに心配ごとを書き出す時間をとるといい。その横に解決策を書いて見比べてみると、心配ごとの正体が見えてくるはずだ。
書き出した心配ごとのうち、簡単に解決できることは、すぐに処理して忘れてしまえばいい。一方、今すぐ自分の力で解決できないことは頭の中から消してしまおう。いずれにせよ、心配事の多くは、毎日書き出しているうちにうんざりして、忘れることができるだろう。
人生の中心には「挫折」が置かれている。私たちは常になんらかの期待を抱いて生き、期待通りの結果が得られることもあれば、挫折を経験することもある。
人生にはジャンプ台もあるが、障害物も少なくない。目標に向かって歩いている途中で障害物につまずいて転び、ひざから血が流れることもある。このとき味わう気分が挫折感だ。目標への思いが強ければ強いほど、挫折感は深まる。
強い挫折感にさいなまれたときは、障害物が大きいのではなく、叶えたい気持ちがとても切実だったからだと考えてみてほしい。
3,400冊以上の要約が楽しめる