先読み!IT ×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来

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出版社
インプレス

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出版日
2023年04月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

話題の対話型AI、ChatGPTをあなたはもう試したことがあるだろうか。テキストで打ち込んだ質問に自動で返答するチャットボットを使ったことがある人は多いだろう。想定質問にはすんなり回答してくれるが、想定外の質問には対応できない。

しかしChatGPTは違う。どんな質問に対しても回答を瞬時に生成し、質問を繰り返すと文脈を理解した返事をしてくれるのだ。試しに「ChatGPTが普及すると、世の中はどのように変わるのか」と質問してみると、コミュニケーションの変化・仕事やビジネスの効率化・教育の変化・新たなビジネスモデルの創造といった可能性を挙げ、最後に技術や倫理的な問題にも言及する返答をしてくれた。一度体験すると、AIの進化に驚かされるに違いない。

仕事にも生活にも役立つ可能性を感じさせるChatGPTだが、欲しい回答を引き出すにはコツがいる。使用に際しての権利上の問題や、内容の正確性も気になるところだ。本書では、日本語の文章生成AI「Catchy」を手がける株式会社デジタルレシピの 古川渉一さんが、その道の第一人者の視点からChatGPTの仕組みや使い方のコツをわかりやすく解説してくれる。聞き手であるITライターの酒井麻里子さんの読者の視点に合わせた質問のおかげで、初心者にも理解しやすい。読み終われば、ChatGPTでできることやその技術的な背景、使用時の注意点やビジネスへの活用事例について、一通りイメージできるようになるだろう。ぜひ本書で対話型AIが生み出す未来をチェックしてほしい。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

古川渉一(ふるかわ しょういち)
1992年鹿児島生まれ。東京大学工学部卒業。株式会社デジタルレシピ取締役CTO。学生時代にAI研究を行う松尾研究室に所属したことをきっかけにインターネットに興味を持ち、大学生向けイベント紹介サービス「facevent」を立ち上げ、延べ30万人の大学生に利用される。その後、国内No.1 Twitter管理ツール「SocialDog」など複数のスタートアップを経て現職。デジタルレシピでは事前登録者数6,000人を超えた、パワーポイントからWebサイトを作る「Slideflow」の立ち上げを経て、現在はAIライティングアシスタント「Catchy(キャッチー)」の事業責任者。CatchyはOpenAI社が提供するテキスト生成AI「GPT-3」を活用した国内向けサービスとして、リリース後半年間でユーザー数4万人を超える。
事業戦略、プロダクト開発、マーケティング、AIのビジネス活用など幅広い領域に知見を持ち、0から事業を垂直に立ち上げることを得意とする。

酒井麻里子(さかい まりこ)
ITライター。企業のDXやデジタル活用、働き方改革などに関する取材や、経営者・技術者へのインタビュー、技術解説記事、スマホ・ガジェット等のレビュー記事などを執筆。メタバース・XRのビジネスや教育、地方創生といった分野での活用に可能性を感じ、2021年8月よりWEBマガジン『Zat's VR』(https://vr-comm.jp/)を運営。メタバースに関するニュースや、展示会・イベントレポート、ツールの解説やレビューなどを発信。Yahoo! ニュース公式コメンテーター(IT分野)。株式会社ウレルブン代表。Twitter(@sakAIcat)
では、デジタル関連の気になった話題や役立つ情報などを発信。

本書の要点

  • 要点
    1
    ChatGPTは、チャット形式の画面に質問を入力すると人間のような答えを返してくれる対話型AIだ。連続した会話をスムーズに行えることと、生成される文章のクオリティの高さが特徴である。
  • 要点
    2
    前提となる条件や文脈を具体的に与えるのが質問時のコツだ。ChatGPTの回答は正しいとは限らないため、ファクトチェックは必ず人の手で行う必要がある。
  • 要点
    3
    記事の執筆やメール文面の作成、企画のアイデア出しやプログラミングコードのレビューなど、AIの活用で日常の業務の効率化が図れる場面は多数考えられる。

要約

対話型AIのブレイクスルー

爆発的な人気となった対話型AI

2022年11月末に発表された対話型AIのChatGPT(チャットジーピーティー)は、登場からわずか5日でユーザー数が100万人を突破。2023年1月には月間アクティブユーザー数が1億人を超え大きな注目を集めている。

ChatGPTは、チャット形式の画面に質問を入力すると、まるで人と会話をしているような答えが返ってくる。

生成されるテキストの精度の高さと自然な言葉づかいで評価が高い一方、間違った答えやかみ合わない回答が返ってくることもある。そんなChatGPTとうまくつき合っていくにはどうしたらよいか。

本書では、日本語の文章生成AI「Catchy」を手がける株式会社デジタルレシピのCTO 古川渉一さんにお話をうかがう。聞き手はITライターの酒井麻里子さんだ。CatchyはChatGPTの開発元であるOpenAIの言語AIモデル「GPT-3」を使ったツールだ。ChatGPTのブーム以前からAIによる文章生成の可能性に注目し開発に携わってきた古川さんに、ChatGPTの基本から有効に使うための質問のコツ、ビジネス活用における可能性を教えていただく。ChatGPTを使うリスクなどのネガティブな側面にも触れ、進化を続ける生成系AIと人間はどう共存していけばよいのかにも踏み込んでいく。

ChatGPTのどこが優れているのか
Tippapatt/gettyimages

ChatGPT登場以前にも、開発者向けのツールとして「GPT-3」と呼ばれるAIモデルのAPIが提供されていた。ChatGPTで使われているのは改良版である「GPT-3.5」といわれるモデルだ。「GPT」とは「Generative Pre-trained Transformer」の頭文字で、「事前学習モデル」を意味する。AIモデルを開発するには、大量のデータをAIに学習させるための、手間と時間がかかるプロセスが必要だ。ところが、GPT-3などのモデルは、Web上の大量のデータを学習済みだ。開発者はそれを使って自由にサービスを作ることができる。

ChatGPTの優れた点は、生成される文章のクオリティの高さだ。従来の言語を扱うAIの多くは、既存の情報から何かを抽出する用途が中心だった。GPTモデルは、少ない情報を膨らませて新たなテキストを「生成」できる。例えば「早起きのコツを教えて」と入力すると、「夜の前にゆっくりリラックスする」「定時に寝る・起きるように生活リズムを整える」など、具体的なコツが回答として出力される。その文脈を踏まえたまま対話を続けることもできるので、対話を繰り返して発想を広げる、壁打ち相手のような使い方で強みを発揮できる。

また、ChatGPTは「間違いを間違いと言える」という点でGPT-3から進化している。「プラスチックを美味しくたべられますか」といった質問に対して、GPT-3はシロップをかければ食べられるかのような回答をしていた。一方ChatGPTの場合は、「食べないようにすることが重要」と、前提の誤りを指摘することができている。まだ完璧ではないが、いよいよAIが人間よりもクオリティの高い文章を書けるようになりつつある。

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要約公開日 2023.04.21
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