経済活動はいうなれば「価値の交換」である。時間を提供して給与をもらう、お金を払って商品を購入するなど、基本的には等価交換で成り立っている。この資本主義社会の本質である「ビジネス=価値の交換」という方程式から逃げてはいけない。
この法則を忘れてしまうととたんに「与えた以上のものを得られない」「誰かからもらおう」という思考が働く。見返りを求めてしまい、結果として他責の考え方に陥る。
とはいえ、見返りを求めないというのも難しい。だから、「結局すべては価値の交換だ」ということに立ち返ろう。給料が低いのも、評価を得られないのも、実際のところ求めすぎているケースがほとんどだ。自分がそれ相応の価値しか提供できていないと考えるべきなのである。
この求めすぎてしまう問題をどうすべきか。対処方法は2つある。
1つは「足るを知る」を意識し、今あるものに目を向ける。もう1つは投資の概念を持つということだ。
人が価値の交換に不満を持つ時、往々にして時間軸を無視している。自分が与えたことで得られる成果や効果は必ずしもすぐに出るとは限らない。例えば教育がその好例だろう。勉強をしたからといってすぐに成績が上がるわけではないが、長い目で見れば将来その見返りが得られるはずだ。
このように時間軸を長くとり、価値の交換に投資の概念を付け加えるとビジネス上のトラブルや食い違いを防げる。
市場価値の高いビジネスパーソンとは、「どこでも食べていける人」もしくは「どこに行ったとしても必要とされる人」のことだ。
仕事は誰かに必要とされることで成立するため、どんな状況でも常に必要とされることが大切である。
そして、必要とされるための条件のひとつが、工夫ができるか否かだ。努力するのは当然で、自分の考えを持って試行錯誤し、その人なりのやり方で成果を生むということだ。
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