グッド・ライフ

幸せになるのに、遅すぎることはない
未読
グッド・ライフ
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幸せになるのに、遅すぎることはない
未読
グッド・ライフ
出版社
出版日
2023年06月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

幸せな人生を送りたい――。誰もがそう願い、勉学に励んだり仕事に一生懸命取り組んだりするものだ。だが「こんなに頑張っているのに、どうして報われないのだろう」と感じることはないだろうか。富や名声を得れば幸せになれると信じて努力してきたのに、幸せに近づくどころか、むしろ遠ざかっているように感じてはいないだろうか。

そんな方には、ぜひ考えてみてほしい。富や名声が幸せの条件でないとしたら、いったい何をすれば幸せになれるのか、と。

本書は、1938年にスタートした「ハーバード成人発達研究」をもとに書かれた一冊だ。この研究は、84年にわたって、2000人を超える被験者の人生を追跡調査してきた。本人や家族への膨大な質問、詳細な健康データの入手、対面調査などを通して、被験者の生きがいや健康を研究している。その研究結果に、世界各地で行われてきた数百件の科学研究や古今東西の教えを加え、幸せな人生を送るためのガイドブックとしてまとめられたのが本書である。

そんな本書によると、幸せな人生を送った人の共通項はただ一つ、良好な人間関係を築いていたことだったという。「社会的な成功こそ幸せの条件だ」と信じてきた人にとっては、がく然とする結果かもしれない。

新型コロナウイルスの拡大によって人間関係やコミュニケーションのあり方が大きく変わった今こそ、自分が「グッド・ライフ」を送るために何をすべきか、本書を一読の上で考えてみてほしい。

ライター画像
香川大輔

著者

ロバート・ウォールディンガー(Robert Waldinger)
ハーバード大学医学大学院・精神医学教授。マサチューセッツ総合病院を拠点とするハーバード成人発達研究の現責任者であり、ライフスパン研究財団の共同創立者でもある。ハーバード大学で学士号取得後、ハーバード大学医学大学院で医学博士号を取得。臨床精神科医・精神分析医としても活動しつつ、ハーバード大学精神医学科心理療法プログラムの責任者を務める。禅師でもあり、米国ニューイングランド地方はじめ世界中で瞑想を教えている。

マーク・シュルツ(Marc Schulz)
ハーバード成人発達研究の副責任者であり、ブリンマー大学の心理学教授でもある。同大学のデータサイエンスプログラムの責任者であり、以前は心理学科の学科長を務め、臨床発達心理学博士課程の責任者でもあった。アマースト大学で学士号取得後、カリフォルニア大学バークレー校で臨床心理学の博士号を取得。ハーバード大学医学大学院で博士研究員として健康心理学および臨床心理学の研鑽を積んだ後、現在は臨床心理士としても活動している。

本書の要点

  • 要点
    1
    1938年にスタートした「ハーバード成人発達研究」によると、喜びに満ちた人生を送るための条件は良好な人間関係だ。社会的成功や運動習慣、健康的な食生活も重要だが、良好な人間関係はもっと明らかに、もっと絶えることなく重要性を発揮していた。
  • 要点
    2
    他者との交流の頻度と質こそ、幸福の二大予測因子である。
  • 要点
    3
    心身の健康には運動が必要であるのと同様、「ソーシャル・フィットネス(健全な人間関係)」にもメンテナンスが必要だ。何もしなければ人間関係は衰えていく。

要約

【必読ポイント!】 研究が明らかにした「幸せな人生」の条件

84年にわたる「ハーバード成人発達研究」

ある人が幸せな人生を送れたのはなぜか――。それを研究で突き止めようとしたとき、被験者の選択とその結果をすべて把握するのは不可能だ。細部の記憶は時間の経過とともに失われるし、捏造さえ起こりうるからである。

だが、被験者の人生を継続的に観察できたらどうだろうか? 被験者の健康や幸福にとっていちばん重要だった物事、人生において最も有益だった投資を、その人が亡くなるまでずっと研究できるとしたら?

それを実践したのが、本書の著者らが携わる「ハーバード成人発達研究」だ。ハーバード成人発達研究は1938年に始まり、今でも被験者の人生の変遷を記録し続けている。

研究チームは、本人や家族への質問票に加え、脳スキャンや血液検査、被験者が話す様子を撮影した動画の分析などを通して、被験者の健康状態や幸福度を精査していく。被験者には2年ごとに長い質問票を送り、5年ごとにかかりつけ医から詳細な健康データを入手し、15年ごとに直接会って対面調査を行う。

本書には、ハーバード成人発達研究で得られた示唆に加え、世界各地で行われてきた数百件の科学研究や古今東西の叡智も盛り込んだ。

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要約公開日 2023.06.20
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