31歳で初めて管理職になった著者は、チーム運営がうまくいかず、まわりの目が気になってしょうがなかった。あまりの苦しさに、課長というポストから降りることも考えたほどだ。
ところがあるとき、「この状態に苦しんでいる自分の考え方がおかしい」と気がついた。自分の人生を他人の評価に委ね、他人に人生を支配されているなんて、正しくないことだ。
そこで「自分にOKを出すのは自分だけにしよう」と決めた。自分にOKを出す基準は2つ。「120%自分の力を出し切ったならOK」と「利己ではなく利他の考えならOK」だ。この基準を設定したことで、少しずつ落ち着き、自信が持てるようになった。
正解は自分の中にある。これは、責任が増える33歳以降に是非身につけて欲しい考え方だ。
33歳、社会人10年目になると、少しずつ自然体で過ごせるようになっていた。しかし、伸び伸びやるほどに失敗が増える。毎日のように失敗を繰り返した。
だが、失敗も捉え方次第だ。利他の心を持ち、120%の力で立ち向かって失敗したなら、堂々と胸を張っていればいい。迷惑をかけたら、素直に謝ればいいだけだ。失敗を恐れて行動を止めてしまってはならない。
チャレンジをやめない限り、失敗は失敗とカウントされない。1万回失敗した後でも、最後のたった1回に成功すれば成功だ。うまくいくまで挑戦し続けよう。
「情けは人のためならず」という言葉がある。「情けは人のためではなく、巡り巡って自分に返ってくる」という意味だ。
まさにこの言葉の通り、誰かに親切にしたら、それは何倍にもなって瞬時に返ってくる。「誰かの役に立っている」と感じ、精神的な幸福を得られるからだ。
33歳からの僕たちは「受ける者」ではなく「与える者」になろう。そしてそこで得た幸せをさらに多くの人へと還元し続けよう。
20代は多くの年長者に助けてもらう年代で、40代は社会へ貢献する年代だ。30代はその転換期にあたる。今こそ「自分のため」から「他人のため」へと思考と行動を転換していってほしい。
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