本書は、「半分、減らす」をキーワードに、多すぎるものを減らして、シンプルに、豊かに生きるためのヒントを提案する。「半分」を意識することは、指標としてわかりやすく、行動変容につながりやすい。
たとえば、近年「スマートフォンの使いすぎ」がよく問題になるが、「スマホを使う時間を減らそう」と思っても、どのくらい減らせばいいのか迷ってしまうことだろう。まったく使わないのは現実的ではないし、細かい目安は守るのが難しい。
そこで、「半分」くらいにしてみようと考えることを提案したい。現代人は、仕事でも食事でも買い物でも、「やりすぎる」ことが多い。「やりすぎ」が習慣化したことで、心身の不調や生活環境の乱れにつながっている例も少なくない。
何かを「断捨離」したいときは、「半分減らす」を目安にして実践してみよう。半分減らすには、生活を変えるくらいの新しいルールや工夫が必要だ。それが行動変容を促してくれる。
最初はつらく感じても、人間の脳には「馴化」という機能が備わっていて、脳と心は新しい習慣に必ず慣れることができる。思い切って「半分、捨てる」ことで、人生をより豊かにしよう。
誰だって、もっと稼いでぜいたくな暮らしをしたいと思ったことがあるはずだ。そんな欲を減らす方法を考える前にまず考えてほしいのは、物質的に豊かになったその先で、心は幸福感に満たされているかということだ。
欲望が満たされれば幸せな気持ちになるはずだ。だが、現実には物が豊かになるにつれて、心が貧しくなっていくことが少なくない。
それは、願望を叶えようと“やりすぎ”てしまうことが原因だ。望むことが増えれば、並行してやらなければならないことが増える。そうすると、休みなく動かなければならなくなる。その状態が続けば、心身ともに疲れていき、心に余裕がなくなっていく。物質的に豊かになると、心が貧しくなることがあるのはそういうわけだ。
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