メタ思考

「頭のいい人」の思考法を身につける
未読
メタ思考
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「頭のいい人」の思考法を身につける
著者
未読
メタ思考
著者
出版社
出版日
2023年10月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

かつては会社や地域など、限られたコミュニティのなかで過ごしていれば安泰であった。だが、そんな時代も「いまは昔」になりつつあるのは、誰もがわかっているだろう。

しかし、多くの人はいまも「昔の世界」に安住している。既存のルールに従い、決められた役割をこなしているほうがラクだからだ。心のどこかで「もっと自由に生きたいなあ」「本当の自分はこうじゃない」と思いながらも、現状に安住してはいないだろうか。

本書はそんな生き方に一石を投じ、「自分の人生を自由にデザインしようよ!」と明るく誘う。そのほうがハッピーな人生が送れるし、実際、社会全体もそういう人が活躍できるような仕組みに変わってきている。

人生を自由にデザインするには、まずはマインドセットを変える必要がある。そこで登場するのが「メタ思考」だ。メタ思考とは、自分自身を俯瞰して、多角的な視点でとらえなおす認知活動を指す。メタ思考ができるようになると、自分の凝り固まった価値観や思い込みに気づき、より自由に生きることができるようになるという。本書ではメタ思考の方法を具体的なアクションに落とし込み、いちから丁寧に教えてくれる。

本書の著者は、日本マイクロソフトの元執行役員で“プレゼンの神”の異名をとる澤円氏だ。澤氏は、自身の会社の運営や大学の客員教授、企業顧問など、複数の肩書を自在に行き来する「自由な生き方」を体現している。極上のプレゼン力が活きた文章には説得力があり、グイグイと引き込まれる。本書を一読し、自分の人生をアップデートしてはいかがだろうか。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

澤円(Madoka Sawa)
株式会社圓窓代表取締役。元マイクロソフト業務執行役員。
立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て1997年にマイクロソフト(現日本マイクロソフト)に入社。情報コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部長などを歴任し、2011年にマイクロソフトテクノロジーセンターセンター長に就任。業務執行役員を経て、2020年に退社。2006年には、世界中のマイクロソフト社員のなかで卓越した社員にのみビル・ゲイツ氏が授与する「Chairman's Award」を受賞した。
現在は、自身の法人の代表を務めながら、武蔵野大学専任教員、スタートアップ企業の顧問やNPOのメンター、またVoicyパーソナリティ、セミナー・講演活動を行うなど幅広く活躍中。2020年3月より、日立製作所の「Lumada Innovation Evangelist」としての活動も開始。
著書に『マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)、『個人力 やりたいことにわがままになるニューノーマルの働き方』(プレジデント社)、『「疑う」からはじめる。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム)『「やめる」という選択』(日経BP)、伊藤羊一氏との共著に『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)。監修に『Study Hack! 最速で「本当に使えるビジネススキル」を手に入れる』(KADOKAWA)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分の人生は自分で自由にデザインすべきである。そのためには、自分の行動や性格、社会における立ち位置を客観的に知る必要がある。こうした俯瞰で物事をとらえなおす認知活動を「メタ思考」という。
  • 要点
    2
    他者の評価から自由になるには「自分はこれでOK」と、自分で決めることである。
  • 要点
    3
    複数のコミュニティを行き来して、「外のものさし」を持つことが大切だ。多様な人たちと関わることで、より「メタ思考」しやすくなる。

要約

【必読ポイント!】「メタ思考」で自由に生きる

自分の人生を自由にデザインする

変化が激しく、正解やルールがどんどん変わるいま、将来に不安を覚える人も多いだろう。このような時代において大切なのは、「視点を変える」ことである。会社という小さな枠組みで物事を考えるのではなく、社会における自分の立ち位置を客観的に見渡すのだ。このように大きな視点で物事をとらえ直すことを「メタ思考」という。

メタ思考とは、自分の行動や考え方、性格を俯瞰的に認識する活動を指す。メタ思考を身につけると、自分の視野の狭さに気づいてひとつの価値観から解き放たれ、より自由な生き方ができるようになるだろう。

複数の自分を使い分ける「エイリアス」な生き方
maroke/gettyimages

人の悩みは、「他者との比較」によって生じる。仕事が楽しくない、先が見えない、あの人が許せない……。そんな感情の裏には、必ず他者との比較が存在する。

とはいえ、いきなり「他者と比較するな」というのも難しい。そこで、「自分ひとりだけで楽しめるルール」を考えたらどうだろうか。自分の人生で「優勝」するために、自分が絶対負けないルールを自分でつくるのである。

そのとき有効なのは「エイリアス」という考え方だ。たとえば、会社にいるときの自分は、「わたしの一部の機能を提供している」だけのエイリアスと考える。エイリアスとは、別名、仮名のことであり、「印」という意味である。MacOSでは「リンク機能」を指す。リンクはいくつも増やすことができるし、削除しても本体には影響がない。エイリアスとは自分の一部であるが、アイデンティティとは切り離された「機能」にすぎないのである。

エイリアスとして振る舞えば、いろいろな場所で自分の役目を果たしながら、自分を傷つけずに自由に生きていくことができるはずだ。

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要約公開日 2023.10.23
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