デザインのミカタ

無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる
未読
デザインのミカタ
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無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる
未読
デザインのミカタ
出版社
出版日
2023年08月02日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

デザインを見て、「オシャレだな」「綺麗だな」 の感想で終わっていないだろうか。それはあまりにもったいない。デザインの入門書である本書は、そう語り掛けている。

著者は大企業のWEBデザインやロゴを手掛けるだけでなく、アートの分野で多くの受賞歴があり、メディアにもたびたび取り上げられているデザイナーだ。デザインを解説するメディアとして2022年2月に開設した「デザイン研究所」は、47万を超すSNSの総フォロワー数を誇る。

実のところ、著者は美術系の大学や専門学校の出身どころか、デザイン会社のアルバイトすらした経験もない。もともとはバンドマンで、プロのデザイナーに作ってもらったフライヤーに感動し、この業界に足を踏み入れた。そして、日常生活のあちこちに溢れるデザインを教材に、3年間、毎日自問自答を繰り返しながら独学でデザインのノウハウを身につけたという。

本書はその中からデザインの基本となる「見る力」と「言語化する力」を習得するため、「葉を見て木を見て森を見て」をキーワードに、序章・基本編・実践編の3ステップで効率的に学べる一冊だ。デザインに興味がある人の入門書にうってつけである。

また、「見る力」と「言語化する力」は、企画立案やコミュニケーションなどさまざまなシーンで応用できるため、ビジネスパーソンのスキルアップにもおすすめだ。本書を読めば、デザインの見方が分かり、世の中の見え方が変わるだろう。

ライター画像
児島奈美

著者

デザイン研究所(デザインけんきゅうじょ)

デザイナーからノンデザイナーまでに、役立つデザインポイントをわかりやすく解説するメディア。SNSは総フォロワー数47万人以上を誇り、デザインジャンルでは日本最大級(2023年7月時点)。また、3連休で終わる最速のデザインレッスン「ノンデザッ!」なども主宰している。

Twitter@designkenkyujo
Instagram@designkenkyujo

本書の要点

  • 要点
    1
    デザインの基本は、「見る力」と「言語化する力」だ。日常風景であっても、意識的に見て、言語化し、膨大な情報を得ることができる。
  • 要点
    2
    「見る力」と「言語化する力」を養うためには、「葉を見て木を見て森を見て」が大事である。「葉を見る」で要素を発見し、「木を見る」でなぜかを考え、「森を見る」で法則化することである。
  • 要点
    3
    「葉を見て木を見て森を見て」の3ステップで世界を見れば、見え方が変わってくる。このメソッドはデザイン以外にも、ビジネスやプライベートでも応用できる。

要約

「見る力」と「言語化する力」

まずは日常風景を意識して見る

印刷技術の発達により、ポスター広告や交通標識をはじめ、街の至る所にデザインがあふれている。現代社会の大量生産・大量消費によってモノが溢れるようになり、商品のパッケージやラベルなど、印刷デザインの多さに拍車がかかっている。

さらに、インターネット時代の到来で、画像や動画を含む高度なグラフィックやWEBデザインも急増している。まさに私たちは、日ごろから当たり前のように、大量のデザインに囲まれた生活をしている。言い換えれば、デザインを学ぶために非常に恵まれた環境に住んでいる。

今、目の前に見える風景の中で「赤色」に注目してみよう。何が見えるだろうか。おそらくこんな所にも、あんな所にも赤色があったんだと、あらためてさまざまな気づきがあるはずだ。

意識を1つ変えるだけで、なんとなく眺めていた日常風景がガラリと変わるのではないだろうか。そして、この世界は膨大なデザインが存在する実践の場なのだと、あらためて悟るだろう。

このように意識してデザインを見るよう心がけることが、プロのデザイナーの資質に欠かせない「見る力」を育むスタートである。

制作意図を言語化する
KADOKAWA 提供

デザイナーがなぜこの配置をしたのか、料理人はなぜこのお皿を使ったのか、音楽家はなぜここで音を入れたのか――。

クリエイティブに関わるプロは、それぞれにしっかりとした意味があって一つひとつのモノを作っている。さらにその制作意図を、クライアントに説得力のある言葉で説明できるのがプロだ。そうしなければ、理不尽なやり直しを何度も受けてしまうからである。

つまりデザインのプロを目指すのであれば、自分が見るものを、自分の言葉で明確に説明し、相手を納得させなければならない。そのためには、知識を身につけて「言語化」することが必須である。デザインの実践の場において、言語化こそがクライアントとコミュニケーションを図る方法だからだ。

意識的に見て言語化し、情報を得る

プロのデザイナーは、電車に乗れば、周りの風景から意識的にあちこちのデザインを見ている。そして、その意図はなぜかと考えて言語化し、膨大な情報を得ているのである。

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要約公開日 2023.12.22
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