DXは、2004年にエリック・ストルターマン教授が提唱した言葉だ。提唱当時、DXは「デジタル技術が起こす変化」のことを指していた。しかし現在は、「デジタル技術による環境変化を受け、組織の価値を向上する変革」と定義され、主に企業が競争上の優位性を確立するために自発的に取り組むものとして使われるようになった。
DXにおけるD(デジタル)は「ペーパーレス化」や「業務の自動化」と捉えられがちだが、そうではない。DXの推進で必要となるデジタル化とは、「データを活用できる状態」にすることだ。蓄積したデータがネットワークを介して取り出せること、データが加工可能な汎用フォーマットであること、内容に価値や意味のある情報を含んでいることが必須条件となる。
変革を意味するTransformationは英語圏で「X」と表されるため、デジタルトランスフォーメーションがDXと表記されている。従来の変革は、業務改善や事業オペレーションの最適化など自社の課題解決を目的としていた。
一方、DXの目的は「顧客に提供する価値」や「提供の仕組み」を変革する。そのため、戦略、マネジメント、組織、データ、人といったすべての要素を再設計する必要がある。
IoTや人工知能といったデジタル技術の登場で、リアル空間とデジタル空間のデータを取得・分析し、分析結果を瞬時にサービスに反映できるようになった。
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