「どうせ無理」と思っている君へ

本当の自信の増やしかた
未読
「どうせ無理」と思っている君へ
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本当の自信の増やしかた
著者
未読
「どうせ無理」と思っている君へ
著者
出版社
出版日
2017年03月31日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「夢を仕事に」という言葉を聞いたとき、多くの人の頭の中には「夢を仕事にできる人なんてごく一握りだ」という否定的な考えが浮かぶかもしれない。

本書はまさに「夢を仕事に」を実現した人による一冊である。著者の植松努氏は、人気小説・ドラマ『下町ロケット』のモデルと言われる人物であり、北海道にある社員数20人の町工場の経営者だ。幼少期からロケットが好きだった植松氏だが、最初からロケットを仕事にするつもりだったわけではない。むしろ「ロケットなんて作れない」と思い込んでいたそうだ。

だが、北海道大学の永田晴紀先生と出会ったことで、運命が変わり始める。永田先生とふたりで、北海道の小さな町工場で「ロケットを作って飛ばす」という夢を叶えたのだ。そのすごさは、ロケットに詳しくない人にも伝わるだろう。

本書を読むと、植松氏はものすごいエリートだったわけでも、生まれつき突出した才能があったわけでも、環境に恵まれていたわけでもないことがわかる。ただ、幼い頃から自分の好きなものがはっきりしていて、それを絶対に諦めなかったことが、植松氏のすごさの源なのだ。

著者のスピーチ「思うは招く」はYouTubeで764万回も再生され、人々に感動を与えてきた。たくさん傷つき、失敗してきた人の言葉だからこそ、人々の心に響くのだろう。本書も、「好き」を追求し、自信を持って前に進むためのヒントで溢れている。これからを生きる自分のために、夢を追求する誰かのために、ぜひ読んでほしい一冊である。

著者

植松努(うえまつ つとむ)
1966年、北海道芦別市生まれ。株式会社植松電機・代表取締役。株式会社カムイスペースワークス・代表取締役。NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)・理事。幼少の頃より紙飛行機が好きで、大学では流体力学を学び、卒業後に入った会社では航空機設計を手がけた。植松電機では、バッテリー式マグネット開発の他、ロケット開発、宇宙空間と同じ無重力状態を作り出す微小重力の実験、小型人工衛星開発、アメリカ民間宇宙開発企業との共同事業など、「人の可能性を奪わない社会」の実現のため邁進している。その一方で、全国各地での講演やモデルロケット教室を通じて、年間10,000人以上の子どもたちに、「どうせ無理」をはねかえし、夢をあきらめないことの大切さを伝える活動をしている。おもな著書に『NASAより宇宙に近い町工場』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『空想教室』(サンクチュアリ出版)、『思うは招く』(宝島社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    足りないことを馬鹿にしたり、恥ずかしがったりする必要はない。足りない自分を責めずに、恥ずかしさをさらけ出して人に頼れば、何かが変わる。
  • 要点
    2
    人生は何があるかわからない。何かの事情によって趣味や特技を失う可能性もある。「これだけは自信がある!」よりも、「あれも、これも自信がある」と思える状態を目指して、いろいろなことに挑戦しよう。
  • 要点
    3
    「まわりの人が自分のことをわかってくれない。夢についても理解してもらえない」人は、まずは自分自身を説得するべきだ。本当に小さいことから試して、実績を積み上げるのが、自分を説得するための近道だ。

要約

小さな町工場がロケットを作れた理由

「足りない」が自信に変わる
ArLawKa AungTun/gettyimages

著者は北海道でロケットを作っている。社員数20人の小さな町工場だが、ロケットを丸ごと作って打ち上げることができる、世界でも珍しい会社だ。ドイツの研究所、アメリカのNASA、そして著者の工場にしかない、宇宙と同じ無重力状態を地上で作り出せる実験施設も有している。

小さい頃から飛行機やロケットが大好きだったが、最初から自信があったわけではない。むしろ「ロケットなんて作れない」「危ないから作っちゃいけない」と思っていたほどだ。

ところが、安全なロケットを研究しようとしていた北海道大学の永田晴紀(ながたはるのり)先生との出会いによって人生が変わった。

著者にはお金も専門知識もないけれど、ロケットが好きで、もの作りの技術と工場があった。一方の永田先生は、お金と技術と工場はないけれど、ロケットが好きで、最先端の専門知識を持っていた。ふたりは「好き」という共通点でつながり、「足りない」という弱みを補い合ってロケットづくりを始めた。

それまで「足りない」のは恥ずかしい弱点だから、人には見せずに、1人で頑張らなければいけないと思っていた。

でもそれは間違いだった。ふたりは助け合い、本当にロケットづくりを成功させたのだ。完成までの道のりは波乱に満ちていたが、あきらめずに試行錯誤を繰り返して、少しずつ自信をつけていった。

足りないことを馬鹿にしたり、恥ずかしがったりする必要はない。足りない自分を責めずに、恥ずかしさをさらけ出して人に頼れば、何かが変わる。

自分だけの自信のつくり方

「どうせ無理」という呪文に負けるな

君の自信を殺すのは、夢に向かって努力している人を笑う「どうせ無理」という呪文だ。

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要約公開日 2024.03.31
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