著者は北海道でロケットを作っている。社員数20人の小さな町工場だが、ロケットを丸ごと作って打ち上げることができる、世界でも珍しい会社だ。ドイツの研究所、アメリカのNASA、そして著者の工場にしかない、宇宙と同じ無重力状態を地上で作り出せる実験施設も有している。
小さい頃から飛行機やロケットが大好きだったが、最初から自信があったわけではない。むしろ「ロケットなんて作れない」「危ないから作っちゃいけない」と思っていたほどだ。
ところが、安全なロケットを研究しようとしていた北海道大学の永田晴紀(ながたはるのり)先生との出会いによって人生が変わった。
著者にはお金も専門知識もないけれど、ロケットが好きで、もの作りの技術と工場があった。一方の永田先生は、お金と技術と工場はないけれど、ロケットが好きで、最先端の専門知識を持っていた。ふたりは「好き」という共通点でつながり、「足りない」という弱みを補い合ってロケットづくりを始めた。
それまで「足りない」のは恥ずかしい弱点だから、人には見せずに、1人で頑張らなければいけないと思っていた。
でもそれは間違いだった。ふたりは助け合い、本当にロケットづくりを成功させたのだ。完成までの道のりは波乱に満ちていたが、あきらめずに試行錯誤を繰り返して、少しずつ自信をつけていった。
足りないことを馬鹿にしたり、恥ずかしがったりする必要はない。足りない自分を責めずに、恥ずかしさをさらけ出して人に頼れば、何かが変わる。
君の自信を殺すのは、夢に向かって努力している人を笑う「どうせ無理」という呪文だ。
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