「マネージャー」として一歩を踏み出す時、真ん中に置いておかなければならない哲学がある。それは「インテレクチャルリーダーシップ」だ。対立する概念は「優しさのリーダーシップ」である。
「上下関係、在籍期間、+αの強制労働」を前提とした「優しさ」のリーダーシップでは、チームメンバーの進捗を確認して行動を促したり、優しい言葉をかけてモチベートしたりすればよかった。数年で世の中が変わることがなかった時代には所属年数がものを言い、無理な働き方や会社の飲み会の強要といった古めかしいマネジメント手法でも、チームメンバーがついて来ざるを得ない構造があった。上が頭を使わなくても、下はついてくる。いわば、マネージャーは構造的に甘やかされていたのだ。
しかし、そんな時代はもう終わった。マネージャーたるもの、「インテレクチャル」でリーダーシップをとらなければならない。これからは「敬うけれども」フラット、+αの労働はさせないを前提とした、「インテレクチャルリーダーシップ」が必要なのだ。求められるのは、自身の「頭の使い方」をもってチームのメンバーやクライアントに付加価値を提供し、さらには感動させることである。
「インテレクチャルリーダーシップ」は後天的に身につけることができるスキルである。学びの軸であり、アウトプットを作り出すための6ステップはこうだ。
「ロ→サ→T→ス→作→ア」
これは、アウトプットまでのそれぞれのステップの頭文字を並べたものだ。チームメンバーはまず、論点(ロ)をマネージャーからプレゼントされる。次にやるべきことは、論点をサブ論点(サ)に分解することだ。それをもとにTASK(T)を設計して、スケジュール(ス)に落とし込む。あとは無心で作業(作)に没頭して、アウトプット(ア)として形作る。
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