この言葉はアランの著作『幸福論』で述べられている。
幸福は自らがつかみにいくものだが、不幸というのは勝手にやって来るものである。もちろん、不幸のなかには、たとえば両親の不仲に苦しんだり、会社の都合で仕事を辞めさせられたり、というような、自分に責任のない種類の不幸もたくさんある。しかし、不幸の種類は何であれ、嘆いてばかりいても状況は変わらない。状況を好転させ、幸福を手にするためには、自ら動くしかないのだ。
著者は妻が肝臓病に重いうつ病を併発し、2度3度と自殺未遂を繰り返した時が最大の苦境であったという。しかし、今の状況から絶対に脱してみせるという、強く楽観的な意志を持ち続けたことで状況は次第に好転していった。不幸や不運が続いても、楽観的な強い意志だけは失ってはならない。
人は自分より優れた人を見ると、ほかの欠点を見つけたりして批判しがちである。そして、そうした気持ちは、とくに自分と年齢やポジションが近く、少しだけ自分より優れている人に向けられやすい。つまりそれは、自分の存在を脅かされるのを恐れる自己防衛本能なのである。
しかし、人の批判ばかりしていると自分の評価を落としてしまう。批判に流されるのは簡単だが、強い意志を持って、人の優れている点を受け入れ、ほめてみよう。そうすることにより相手も喜び、自分のことも認めてくれるようになる。それは相手との信頼関係構築や自分の自信につながるというメリットにつながる。自分より立ち位置の低い人に対しても同様である。一人ひとりの良いところを見つけてほめることにより、相手との連帯意識が生じ、自分も成長できるのだ。
ガンジーは、母国インドのイギリスからの独立運動に人生の多くを捧げた。運動には「非暴力、不服従」の考えを徹底し、多くの人が共感した。イギリスの警官が独立運動を抑えようと警棒を振り回しても、彼らは一切抵抗をせず、しかし決して逃げなかった。
ガンジーは、「目には目をという考え方では、世界中の目を潰してしまうことになる」という言葉を残している。非暴力によって、憎しみと暴力の連鎖を断ち切りたかったのである。それにはものすごい勇気と覚悟が必要であり、そのために「許す」ということが必要だった。
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