何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2019年02月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

調子がいい時も悪い時も、自分にYESと言える。根拠はないが、自分は課題を乗り越えられるという自信がある。こうした自信のついた状態を保つことができれば、人生がより充実したものになることは間違いない。そして、こうした人生を送るためのカギとなるのが、自己肯定感である。著者は自己肯定感を「人生を支える軸となるエネルギー」と表現している。本書では生き生きとした人生を送るために、しなやかでたくましい自己肯定感を育むことを目指す。

自分は「自己肯定感が低いかもしれない」と思っても、実際には何をどれだけやれば上がるのかわからず、困っている人は多いのではないだろうか。自己肯定感を高める方法として、パッと瞬発的に高まる方法と、じわじわと持続的に高まる方法の2つの手法を紹介しているのが本書の特徴だ。著者自身も自己肯定感のどん底を経験し、そこから段階を踏んで自己肯定感を高めていった経験を持つ。HSPや双極性障害などに苦しみ、自分を認めて自立できるようになるまで少しずつ行動してきた。著者のメソッドによって自己肯定感が「勝手に高まる」状態を実現できれば、この先何があっても、自分で回復していくことは可能になる。

いうなれば自己肯定感は、心の免疫力だ。普段からネガティブになりやすい人、調子がいい時と悪い時の差が激しいという人はもとより、いまはそんなに落ち込んでいないという人でも、本書を使って心の免疫力を整えていただきたい。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

中島輝(なかしま てる)
自己肯定感の第一人者/心理カウンセラー/作家/トリエ代表。5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、9歳ごろから、HSP、双極性障害、パニック障害、統合失調症、強迫性障害、不安神経症、潰瘍性大腸炎、斜視、過呼吸、認知症、円形脱毛症に苦しむ。25歳で背負った巨額の借金がきっかけでパニック障害と過呼吸発作が悪化。10年間実家に引きこもりつつ、代表取締役としてグループ会社を運営。自殺未遂を繰り返すような困難な精神状況のなか、独学で学んだセラピー・カウンセリング・コーチングを実践し続ける。10年後、「恩師の死」がきっかけとなり35歳で克服。その後、30年間の人体実験と独学で習得した技法を用いたカウンセリングとコーチングを24時間365日10年間実践。自殺未遂の現場にも立ち会うような重度の方、Jリーガー、上場企業の経営者など15,000名を超えるクライアントにカウンセリングを行い、回復率95%、6カ月800人以上の予約待ちに。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれ上場企業の研修オファーも殺到。 現在は、ニューライフスタイルを提案する資格認定団体「トリエ」(旧国際コミュニティセラピスト協会、他5団体)を主催し120以上のオリジナル講座を開発。新しい生き方を探求する「輝塾」、好きを仕事にする起業塾「The・DIAMOND」を主催し、週末の講座は毎回即満席となっている。また、自己肯定感を高めれば、人生・仕事・人間関係・恋愛・健康・子育てが好転する「ナチュラル心理学」を提唱し、2020年までに3000人のティーチャー育成を目標にし、2021年までに世界3カ国に拡大する予定で活動中。2018年に開発したHSPカウンセラー資格講座を含め3000人以上の受講生を指導する。 ツイッターフォロワー3万人、インスタグラムフォロワー3万人。ラインブログは文化人8位とSNSでも話題沸騰中。著書に、『大丈夫。そのつらい日々も光になる。』(PHP研究所)、『エマソン 自分を信じ抜く100の言葉』(朝日新聞出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    自己肯定感の高め方には瞬発型と持続型の2つがある。いずれも小さなステップを踏んでいく感覚が重要だ。小さな成功体験を積むことで、自己肯定感は勝手に高まる状態になる。
  • 要点
    2
    自己肯定感を支える6つの感は「自尊感情」「自己受容感」「自己効力感」「自己信頼感」「自己決定感」「自己有用感」である。これらは相互に関係しており、いずれかがダメージを受けると全体のバランスが崩れてしまう。

要約

自己肯定感の特徴

自己肯定感を高める前に
sesame/gettyimages

自己肯定感は「人生を支える軸となるエネルギー」である。周囲の環境などが影響して上下動するものであり、もともと高い人、低い人がいるが、「何歳からでも後天的に育てることができる」。

自分がどう感じているか客観視することを、心理学では「自己認知」という。私たちの感情はマイナスからいきなりプラスに転じることはなく、いったんフラットな状態を経由する。自分の自己肯定感の状態を認識できていれば、いつでも自分をフラットな状態に戻し、冷静に感情をコントロールすることができる。

自己肯定感の高め方は2つあるという。瞬発型の「自己肯定感がパッと一瞬で高まる方法」と、持続型の「自己肯定感をじわじわと高める方法」だ。具体的にはあとで紹介するが、これらを組み合わせながら、小さなステップを踏む感覚が重要となる。1つのワークを達成したときに、自分に対して「よくやったね」といったご褒美の言葉をかけることで、自己肯定感の湧き出すさまが潜在意識まで根づく。そうしてモチベーションを持続させる考え方を、アメリカの心理学者バラス・スキナーは「スモールステップの原理」と呼んだ。脳の報酬系に働きかける小さな成功体験の積み重ねによって、自己肯定感は勝手に高まるのだ。

自己肯定感を低下させる要因は、「過去の失敗へのこだわりやトラウマ」と「他人との比較や劣等感」である。過去のトラウマや劣等感があると、存在の安心を得るために承認欲求が強くなる。しかし、自分で自分を認められない状態なので、行動が他者依存的になってしまう。逆に言えば、認められたいと感じるのは自己肯定感が低くなっているからなのだ。

どうしても忘れられない失敗などがあるなら、「そのまま放置して残しておくこと」だ。過去の出来事も他者も、自分の力では変えられない。そんなことに悩んでも仕方ないと自分が納得していれば、自然と忘れていける。

【必読ポイント!】 自己肯定感を支える6つの感

自尊感情

自己肯定感は6つの感に支えられているという。自分には価値があると思える「自尊感情」、ありのままの自分を認める「自己受容感」、自分にはできると思える「自己効力感」、自分を信じられる「自己信頼感」、自分で決定できる「自己決定感」、そして自分は役に立っているという「自己有用感」の6つだ。これらがダメージを受けると自己肯定感全体のバランスが崩れるし、どれかが満たされるとほかにプラスの影響をもたらすこともある。要約では「自尊感情」「自己効力感」「自己決定感」の3つを紹介しよう。

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要約公開日 2024.07.25
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