本書は、数学的なスキルをビジネスに応用して成果を得るための指南書である。
ここでの「数学的」とは、物事の関係性を明らかにし、筋道を立てて説明することを意味する。そもそも数学とは、数字と論理で成り立っている。数字と論理を活用し、数学のように物事を捉えられれば、それは数学的思考をしていることに他ならない。そして、数学的思考をビジネススキルにまで昇華させるためには、「数字と論理を用いて動作をし、行為に落とし込む」必要があるという。まずは「数字と論理」「動作」「行為」という言葉の意味を掘り下げていく。これらの概念こそが「数学的」という言葉のベースになるためだ。
著者は数字とはコトバであるという。対象の量がどのくらいかを伝わるように表現したものを意味する。たとえば「ちょっと時間もらっていいですか?」と「1分だけ時間もらっていいですか?」を比べてみよう。後者では量がどれくらいかが相手にすぐ伝わる。
次に本書における「論理」とは「接続詞で表現されるものであり、「数学コトバ」である。
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