ChatGPTをはじめとする生成AIは、ビジネスの世界に3つの変化をもたらした。
1つ目の変化は、「80点」が合格ラインでなくスタート地点になることだ。
2023年11月に日本の一般企業向けにサービス提供を開始した「Microsoft 365 Copilot(コパイロット)」は、会議の議事録作成、役割に応じたToDoリストの振り分け、商談の下調べ、プレゼン資料作成などを自動化できるツールだ。
こうした仕事は、今までホワイトカラーと呼ばれる職種の人たちがやってきた「80点までの仕事」にあたる。これまでは「80点までの仕事」ができれば十分合格といえたが、これからの時代はAIがその仕事を担ってくれるから、「80点」は単なるスタート地点になる。人間に求められるのは、「100点」や「120点」を目指し、お客さんを感動させられるようなアウトプットを生み出すことだ。
2つ目の変化は、あらゆる物事が個別化していくことだ。
たとえば新NISAについて知りたいとき、生成AIを使えば、「小学生でもわかるように説明してください」「すでにiDeCoをやっている人が、新NISAも始めるときに、注意しなければならないことはありますか?」などと質問することで、個別化した回答を受け取れる。
この性質はビジネスや社会のあり方を大きく変えるだろう。教育の場では学ぶ側の進捗や興味に合わせた指導ができるし、ビジネスの現場では1000人の顧客に1000通りのセールスレターを用意することも可能だ。
3つ目の変化は、正解主義から修正主義になることだ。
これまでの社会には確固たる「正解」があり、それに最短距離でたどりつく力が求められていた。ところが、AIが常に80点の答えを準備してくれる時代においては、正解を出す力だけでは勝負できない。修正を繰り返しながらブラッシュアップしていく力が求められる。
また、正解主義から抜け出せない人は、AIがライバルとなる中、成果を出せずに疲弊していく。一方、「これ好き!」「面白い」を発信できる人、「だってやりたいんだもん」と言い切れる人、尖った強みを持つ人は、AIと張り合う必要がないため、自分らしく活躍できるだろう。
ChatGPTは壁打ち相手として最適だ。ChatGPTとの対話により、自分の考えを整理し、アイデアを練ったり、問題の解決策を探したりしながら、ともに新しいものを「共創」できる。ここでは、そのプロセスを5つのステップで紹介する。
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