要領よく成果を出す人は、「これ」しかやらない

8割さばいて「2割だけ」集中する仕事術
未読
要領よく成果を出す人は、「これ」しかやらない
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8割さばいて「2割だけ」集中する仕事術
著者
未読
要領よく成果を出す人は、「これ」しかやらない
著者
出版社
出版日
2024年05月15日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事をしていれば、誰にだって「このままでいいのか」という不安に駆られることがあるはずだ。目の前に積まれた大量の仕事を片づけるべく忙しく動き回っているが、そのぶん成果があがっている実感はない。いつも時間が足りず、身体は疲れ果て、心もすり減っていく――。本書は、現代人の抱えるそんな悩みに、35のヒントを提示してくれる。

本書の著者、塚本亮氏は、ベストセラーとなった『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』や『頭が冴える! 毎日が充実する! スゴい早起き』の著者でもある。塚本氏の著書は、ビジネスパーソンの悩みや現状をよく理解したうえで、取り入れやすい解決策を提案してくれるのが特徴だ。本書もまた、すぐにでも試したい仕事術が目白押しである。

「要領よく成果を出す」というと、大量の仕事を効率的にさばく姿を想像するかもしれない。だが本書の提案する働き方はそうではない。重要なのは、「やらないこと」を決め、「やること」にリソースを集中させることだ。降ってきた仕事を片っ端から引き受けていては、どんなに頑張っても、仕事は積み上がっていくばかりだ。仕事が減るどころか、むしろどんどん仕事を任されるようになるだろう。心身ともに健康的に働くには、目の前にある仕事を「本当にやるべきなのか」「やらないと何が起こるのか」を考え、時には「やらない」選択をしたり、戦略的に手を抜いたりすることも必要なのだ。

効率的に仕事を進める方法を知りたい人にはもちろん、自分の働き方や生き方を見つめ直したい人にも、本書をおすすめしたい。

ライター画像
池田明季哉

著者

塚本亮(つかもと りょう)
株式会社トモニツクル京都山城代表取締役、ジーエルアカデミア株式会社代表取締役

1984年、京都生まれ。高校時代は、偏差値30台で退学寸前の問題児。そこから一念発起し、同志社大学経済学部入学。卒業後、ケンブリッジ大学で心理学を学び、修士課程修了。帰国後、京都にてグローバル人材育成「ジーエルアカデミア」を設立。これまで、のべ4000人に対して、世界に通用する人材の育成・指導を行ってきている。
映画『マイケルジャクソン THIS IS IT』のディレクター兼振付師であるトラヴィス・ペイン氏をはじめ、世界の一流エンターテイナーの通訳者を務める他、インバウンドビジネスのアドバイザリとしても活躍。2020年にはJリーグを目指すサッカークラブ「マッチャモーレ京都山城」を設立。
主な著書に、『ネイティブなら12歳までに覚える 80パターンで英語が止まらない!』(高橋書店)、『頭が冴える! 毎日が充実する! スゴい早起き』(すばる舎)、『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分にとって100点の成果物を出しても、他人から評価されるとは限らない。合格点が取れれば仕事は進むのだから、戦略的な80点を目指してみよう。
  • 要点
    2
    要領のいい人たちは、誘惑に打ち勝とうとするのではなく、誘惑物との接触自体を避けている。誘惑に抗おうと自制心を働かせることは、心のエネルギーを消耗させ、モチベーションの低下を招くためだ。
  • 要点
    3
    正しい努力をするためには、課題を因数分解し、適切な行動計画を立てていく必要がある。

要約

【必読ポイント!】 「力の抜きどころ」と「入れどころ」の見極め方

「やらないこと」を決める

アップルの創業者、スティーブ・ジョブズは、「最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ」という言葉を遺している。人生には必ず終わりがやって来るし、ずっと休みなく働き続けることはできない。人の時間もエネルギーも有限だ。

要領のいい人たちは、時間やエネルギーが有限であることを理解し、成果につながる仕事やより重要な活動に集中している。自分の目標や価値観に基づいて、力を入れる「やること」と、力を抜く「やらないこと」を明確に区別しているのだ。

著者はかつて、その区別ができていなかった。どんな仕事も迷わず受け、「自分がやらなくてもいいこと」にまで全力で取り組んでいたのだ。だが、自分がすり減るような感覚を抱くようになり、興味や気分に合わない仕事は断るようにした結果、最小限の努力で成果が出るようになっていった。

忙しいと何かをしている気になってしまうものだが、忙しいからといって価値を作り出せているとは限らない。まずは「その仕事をやらなかったら、どうなるか?」と自問してみよう。不要な仕事であることに気づいたり、より良い方法が見つかったりするかもしれない。「やらないこと」を決め、本当に重要なことにだけ集中するのが、人生を豊かにする秘訣だ。

80%のタスクは「頑張りすぎない」
Nuthawut Somsuk/gettyimages

世界的な名サッカープレイヤー、リオネル・メッシは、試合中に常に全力で走っているわけではない。ゴールの瞬間や試合の行方を左右する決定的なシーン以外は休んでいることもある。重要な場面で力を発揮するために、余力を蓄えているのだ。

パレートの法則に従えば、全体の20%の努力で80%の成果が得られる。要領がいい人たちは、力の入れどころを見極め、本当に大切な20%のタスクに焦点を当て、残りの80%のタスクは頑張りすぎないようにしている。

力の入れどころをコントロールしていると、ここぞというシーンで全力を出せるだけでなく、長期にわたって安定的なパフォーマンスを発揮しやすくなる。現役として長く働き続けなければならない現代において、常に全力疾走を続けるのは難しい。目の前のタスクが大きな目標にどう貢献していくかを見極め、重要な場面で全力を尽くす働き方にシフトしていくべきだ。

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要約公開日 2024.08.26
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