片付けは3つのパートから成る。持ち物をすべて出して、その意味合いと向き合う「整理」、1つひとつのものの意味合いを元に、最適な位置を決める「収納」、収納で定めた場所に、出したら戻す「整頓」、の3つだ。これら3つを、整理→収納→整頓の順に行うことが非常に重要だ。ものの意味合いと向き合うことなく整頓だけを繰り返していても、部屋は一向に片付かない。
この考え方は時間管理や思考整理にも役立つ。自分が普段、何に時間を費やしていて、何を考えて過ごしているのかがわからないままでは、時間も思考も整理できない。まずは自分の手持ちの情報を全部出して、それぞれの意味合いと向き合う必要がある。
片付けにおいて、「捨てること」は手段の一つであって、目的ではない。「使わないが捨てられないもの」があってもかまわない。一つひとつのものに愛情の濃淡をつけ、愛着が薄いものはデータ化して取っておくといった解決策もある。
この考え方は、時間や思考、人間関係にも応用できる。関係性を整理したいとき、人付き合いを完全に断ち切る必要はない。「大人数の集まりは行かないけれど、会いたい人には自分から連絡して少人数で会う」「資格試験までお酒の席は断るが、その代わりにランチをお願いする」「旧交を温める月と、勉強に集中する月をわけて、予定をコントロールする」などと濃淡をつけ、愛着の高い物事・関係性に優先的に時間を注ごう。
「勉強はカフェでやる派」の人も多いだろう。だが、家でまったく勉強できないようだと、勉強へのハードルが上がってしまう。カフェに行くにしても、身支度や移動に時間がかかるうえ、カフェの状態によっては集中しづらく、時間対効果はあまり高くない。
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