気持ちも頭もスッキリする!

捨てる脳

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捨てる脳
出版社
自由国民社

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出版日
2024年04月17日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

古いレシートがずっとカバンに入っていて、なぜか捨てられない。

部屋にモノがあふれていて、どこから手を着けていいかわからない。

写真やアルバム、年賀状などがどうしても捨てられない。

これらは、本書で紹介されている「捨てられない」悩みだ。覚えのある人も多いだろうが、あなたは「捨てられない」理由を「片づけ方を知らないから」や「自分がだらしないから」だと思っていないだろうか。

だが本書によると、それは誤解だ。著者は冒頭で「いくらノウハウ本を読んでも、『捨てる脳』を持っていなければ、捨てられるようにはなりません」と書いている。

本書の著者、加藤俊徳氏は、脳番地トレーニング法などで知られる脳内科医だ。脳科学・MRI脳画像診断・ADHDの専門家であり、自身が立ち上げたクリニックでは、独自開発した脳画像診断法を用いて、脳を強化する健康医療を行っている。本書はそんな加藤氏が2019年に上梓し、7万部を突破した『片づけ脳』の姉妹版である。

加藤氏によると、もともと脳は「集める」性質を備えている。私たちが収集した情報をもとに意思決定するのも、さまざまな行動を経て、それにまつわる情報が集まってくるのも、脳の「集める」性質によるものだ。そんな脳にとって、「捨てる」のは簡単なことではないという。

本書では、そんな脳の性質を解説しつつ、「うまく捨てる」方法を教えてくれる。これまで片づけ本を読んでもいっこうに行動に移せなかった人に、一読を勧めたい。

著者

加藤俊徳(かとう としのり)
脳内科医、医学博士。
加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。
昭和大学客員教授。脳科学・MRI脳画像診断・ADHDの専門家。助詞強調音読法や脳番地トレーニング法を開発・普及。
1991年、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像研究に従事。発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤プラチナクリニックでは、独自開発した加藤式脳画像診断法を用いて小児から超高齢者まで、脳の成長段階、強み弱みの脳番地を診断し、脳を強化する健康医療を行う。
主な著書に『片づけ脳』(自由国民社)、『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『頭がよくなる! 寝るまえ1分おんどく366日』(西東社)、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、など著書・監修書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    もともと「集める」性質を持っている脳にとって、捨てることは簡単ではない。それでも、意識的に「集める脳」から「捨てる脳」にシフトしていかないと、脳は劣化の一途をたどってしまう。
  • 要点
    2
    モノと記憶の関係は、「すぐに捨てられる」(直近記憶)、「期限を決めて考えて捨てられる」(ワーキングメモリ)、「時間をかけて捨てられる」(長期記憶)の3つに分類できる。
  • 要点
    3
    古いレシートなど、本来は即座に「捨てる」判断ができるはずのモノを捨てられないなら、いつもより速く歩いたり、なるべく階段を使ったりして、運動系脳番地を刺激するとよい。

要約

「捨てられない」のは脳のせい

脳の「集める」性質

脳の仕組みから考えると「捨てたいけれど捨てられない」のは当然である。なぜなら、脳には「集める」性質があるからだ。

人間は日々、いろいろな情報を集めて、その後の行動を決めている。さらには、私たちが何かを経験するたび、それにまつわる情報が入ってくる。このように、さまざまな情報を蓄積する脳の性質を、本書では「集める脳」と呼ぶ。

脳に「集める」性質があるなら、無理して「捨てる脳」にならなくてもいいのでは――と思う人もいるかもしれない。だが実は、意識的に「集める脳」から「捨てる脳」にシフトしていかないと、脳は劣化の一途をたどってしまう。

というのも、無意識に捨てる(=忘れる)ことと、意識して捨てる(=自分の意思で取捨選択する)ことは、似ているようでまったく違う。「日々どんどん経験を積み、情報を脳に蓄積していく一方で、自分にとって意味のないもの、関係のないものについては、無意識に捨てていく」状態を放置していると、脳がマンネリ化して、うまく働かなくなってしまうのである。本書ではその前提のもと、うまく「捨てる」方法が解説される。

脳に情報を集める仕組み
baramee2554/gettyimages

脳に情報を集める仕組みは三段階に分けられる。

まず、外部からの情報を、五感を通じてインプットする。

次に、ワーキングメモリが取次役として機能して、脳に入力された情報が短期記憶として保持される。ワーキングメモリは、言語処理やイメージ処理に関わる何らかの作業をするために記憶する、あくまでも一時的な記憶だ。

最後に、ワーキングメモリから長期記憶へ、記憶の定着を推進する。長期記憶とは、脳の中に定着した記憶だ。忘れたくない大切な思い出からさほど重要ではない情報まで、さまざまな記憶が混在しており、私たちはその中から必要な記憶を取り出しながら日常生活を送っている。

【必読ポイント!】 「捨てる脳」になるには?

モノと記憶の3種類の関係

「捨てる」とは、裏を返せば「大事なものを残す」行為でもある。

対象となるモノとあなたの歴史、すなわち記憶によって、「捨てたい」「残しておきたい」という感情が起こる。例えば、ヨレたTシャツが手元にあったとして、それが景品としてもらったものならすぐに捨てられる。一方、親友からのハワイ土産であれば、捨てるのをためらってしまいそうだ。また、推しのライブで入手したレア物であれば、どんなにヨレていても残しておきたいと思うかもしれない。

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要約公開日 2024.08.22
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