一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略

世界のビジネスエリートが取り入れる「7つの眠り方」
未読
一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略
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世界のビジネスエリートが取り入れる「7つの眠り方」
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一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略
出版社
出版日
2024年06月03日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「眠ること」は「目的」ではなく、「手段」であるべきだと著者は語る。

慢性的な睡眠不足に悩まされるビジネスパーソンは多いだろう。誰もが眠りに悩み、眠りを「改善」しようとしている。実際、睡眠時間を確保する方法や、より深く快適に眠る方法を指南する書は世にあふれている。

著者によれば、これは「眠ること」が「目的」になっている状態だ。しかし、睡眠はパフォーマンスを最大化するための「手段」であるべきだというのが、本書の主張である。たとえ十分な睡眠がとれている人でも、自分の状況や目的に合わせた「睡眠戦略」をとることで、これまでにない成果を得ることができるのだという。いわば「攻めの睡眠」だ。

本書には7つの「睡眠戦略」が紹介されており、これらを使い分けることで高いパフォーマンスが期待できるという。5時間前後の短い睡眠時間で興奮状態を維持し、精力的に活動する「短眠戦略」、逆に10時間眠ることで爆発的な成長を目指す「長眠戦略」、自然界での動物のように細切れに眠る「多分割睡眠戦略」、オフィスのチーム全体でよい睡眠を目指す「チーム睡眠戦略」など、自分の状況や目的に合った睡眠戦略が必ず見つかるはずだ。

眠りに悩みを抱える人はもちろん、自分の能力に伸び悩みを感じている人、さらなる成長を目指したい人など、現状を打破するための選択肢に「睡眠」も加えてみてはいかがだろうか。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

角谷リョウ(すみや りょう)
NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなど160社以上、14万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきた上級睡眠健康指導士。日本睡眠学会学会員、日本認知療法・認知行動療法学会会員、日本サウナ学会学会員。
神戸市役所を退職後、トレーナーとして独立。わずか3カ月でキャンセル待ちのスタジオに。フィットネス業界で最も権威ある雑誌で年間最優秀賞を受賞する。「運動」「食事」「睡眠」の改善サポートを行なってきたが、食事や運動の改善とは比較にならないほど、「睡眠の改善」がメンタルやコンディションの回復につながることに気づき、睡眠改善に特化する活動にシフト。認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートを行っており、1回のセミナー参加で不眠症レベルの受講者の約70%が「正常範囲」まで改善。4週間の睡眠改善プログラムにおいては90%以上が「正常範囲」にまで改善している。
また本書で紹介しているメソッド(各個人に最適な睡眠を作る「パワースリーププログラム」)によって、経営者やエグゼクティブ3,000人以上のパフォーマンス向上を成功させている。
著書に『働くあなたの快眠地図』『働く50代の快眠法則』(以上、フォレスト出版)、『エグゼクティブを見せられる体にするトレーナーは密室で何を教えているのか』(ダイヤモンド社)、『鍛えていないと稼げません──身体づくりで生産性をあげよう』(WAVE出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    睡眠をとることは「目的」ではなく、パフォーマンスを最大化するための「手段」であるべきだ。最高のパフォーマンスに必要なのは、状況や目的に合わせた最適な「睡眠戦略」を選ぶことである。
  • 要点
    2
    睡眠戦略には、1日5時間前後の睡眠で精力的に活動する「短眠戦略」、起きている間は自分を徹底的に追い込み、1日10時間の睡眠で爆発的な成長を目指す「長眠戦略」、自分が本当に活動的になれる時間帯に合わせて睡眠をとる「フレックス睡眠戦略」などがある。

要約

【必読ポイント!】 睡眠は「戦略」だ

世界の一流が実践する「7つの眠り方」
PeopleImages/gettyimages

睡眠不足に悩んでいる人は多い。ほとんどの人は睡眠の改善が「目的」になっているが、著者は、睡眠は自身のパフォーマンスを最大化するための「手段」であるべきだと考える。実際、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、大谷翔平など、世界でトップを極めている人たちは例外なく睡眠を利用してパフォーマンスを高めている。

本書では、ビジネスパーソンの「強力な武器」となる睡眠法を7つ、それぞれを実践する著名人の名を冠して紹介している。

(1)ザッカーバーグの「短眠戦略」

睡眠時間を1日5時間前後に短縮し、活動時間を増やす。心身ともに興奮状態となり、高い集中力を維持して多くの仕事をこなせる。

(2)エリザベス女王の「快眠戦略」

質・量ともに最適な睡眠をとり、心身の状態を整える。心の底からわき上がるような幸福感が得られ、周囲との人間関係が改善される。

(3)大谷翔平の「長眠戦略」

10時間程度の長い睡眠をとり、日中もたっぷり昼寝をする。起きている間に自分を徹底的に追い込むことで爆発的な成長を目指す。

(4)黒柳徹子の「二分割睡眠戦略」

睡眠を2回に分け、深夜に自分だけの時間をつくる。一度眠ることですっきりした状態で活動できる。

(5)クリスティアーノ・ロナウドの「多分割睡眠戦略」

長い睡眠をとらず、短時間の睡眠を細切れにとる。動物と同じ眠り方で、自然に近いスタイルだ。まとまった睡眠をとれなくてもストレスを感じずに済む。

(6)マドンナの「フレックス睡眠戦略」

時間にこだわらず、自分に合った時間帯に睡眠をとる。何時から何時まで寝るかを能動的に決めることで1日を効率的に活用できる。

(7)ラリー・ペイジの「チーム睡眠戦略」

組織のリーダーが、自分一人ではなく部下の睡眠も改善し、組織全体のパフォーマンスを最大化する。チームとしてのパフォーマンス向上を目指す。

本要約では7つの睡眠戦略の中から、「短眠戦略」「長眠戦略」「フレックス睡眠戦略」の3つについて詳しく述べる。

3つの睡眠を使い分ける

睡眠は大きく「レム睡眠」「深いノンレム睡眠」「浅いノンレム睡眠」の3種類に分けられる。レム睡眠の間、筋肉は弛緩している一方、脳は活発に動いている。最新の研究では、レム睡眠はメンタルの安定に深く関わっていることがわかってきた。

深いノンレム睡眠の間は成長ホルモンが活発に分泌され、身体と脳が回復する。浅いノンレム睡眠は、睡眠全体の半分以上を占めるにもかかわらず、その効果は長い間不明であった。しかし最新の研究で、浅いノンレム睡眠の間に特殊な脳波が出て、記憶の定着や運動神経の発達が促されていることが判明した。

3つの睡眠はいずれも重要な役割を担っている。どれもおろそかにせず、使い分けることが大切だ。

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要約公開日 2024.08.27
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