ごきげんになる技術

キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方
未読
ごきげんになる技術
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キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方
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ごきげんになる技術
出版社
出版日
2024年07月26日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

テレビプロデューサーとして「ゴッドタン」や「あちこちオードリー」といった人気番組を生み出し、ラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」でパーソナリティを務めるなど幅広いシーンで活躍してきた佐久間宣行氏。前著『佐久間宣行のずるい仕事術』は、業界内外のビジネスパーソンから圧倒的な支持を集め、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリを受賞した。

本書は、「ごきげんに生きよう」が人生のテーマだという佐久間氏が、自分をすり減らすことなく、「ごきげん」に成果を出すための考え方やノウハウを教えてくれる一冊だ。といっても、佐久間氏はもともと常にごきげんでいられるタイプではなく、むしろネガティブな性格だという。試行錯誤を経て、自分の機嫌のとり方を確立してきたそうだ。

そのうちの一つが「小さなごほうびの予定」を作ることである。美味しいものを食べたり、映画や演劇といったエンタメに触れたりする予定をあらかじめスケジュールに入れ、自分の機嫌を取っているそうだ。本書でこの習慣について「小さなごほうびを海のブイのごとく浮かべ、気分をホクホクさせておくのです」と語っている。

誰が見ても超一流のビジネスパーソンである佐久間氏だが、本書では意外な弱さや迷い、失敗なども赤裸々に明かされており、誰でも共感しながら読んでいけるだろう。ネガティブ思考の人や自分に自信がない人、メンタルの調子に振り回されがちな人に強くおすすめしたい。

著者

佐久間宣行 (さくま のぶゆき)
テレビプロデューサー、ディレクター、演出家、ラジオパーソナリティ、作家。
「ゴッドタン」「ピラメキーノ」「トークサバイバー!1・2」「インシデンツ1・2」「LIGHTHOUSE」などのテレビ番組、配信作品を手がける。2019年から「オールナイトニッポン0(ZERO)」の最年長パーソナリティ、「オールナイトフジコ」「伊集院光&佐久間宣行の勝手に『テレ東批評』」のMCとしても活躍。著書に『ラジオパーソナリティ佐久間の話したりない毎日~佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)2022-2023~』(扶桑社)や『佐久間宣行のずるい仕事術―僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた』(ダイヤモンド社)などがある。企画・出演・プロデュースを手がけるYouTube チャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」は登録者数212万人を突破(2024年8月現在)。

本書の要点

  • 要点
    1
    その日の出来事や体調を記録する習慣をつけると、データをもとに自分の傾向を把握でき、不調に陥りがちなタイミングが見えてくる。
  • 要点
    2
    仕事に向き合う時は、「ネガティブワクチン」を打っておく(ネガティブ要素を想定して対策しておく)ことで、不安やリスク、失敗によってメンタル不調に陥らずに済む。
  • 要点
    3
    業務におけるセンスには賞味期限がある。その期限を過ぎても生き残れるのは「教養がある人」と「人柄の良い人」だ。

要約

ネガティブ感情とうまく付き合う習慣

小さなごほうびで気分を上げる
Tippapatt/gettyimages

著者はこれまで、自分のネガティブな思考グセや弱点とうまく付き合う術を模索してきた。

たとえば、どこからともなく湧いてくる「面倒くさい」という感情。この感情に飲まれてしまうと、復活するまでに余分な時間やエネルギーがかかる。この「面倒くさい」という感情を上手に飼い慣らすべく、意識的に実践しているのは、「小さなごほうびの予定」を作ることだ。美味しいものを食べに行ったり映画や演劇といったエンタメに触れたりする予定を、仕事のピークを過ぎそうなタイミングにあらかじめ入れておく。そうすれば、仕事が立て込んできて「面倒くさい」感情が発動し始めた頃、ごほうびがあることを思い出してごきげんになれるのだ。

なお、仕事の可視化とうっかりミスを防ぐため、スケジュール管理は自分の記憶に頼るのではなく、すべてGoogleカレンダーで行っている。収録・取材は赤色、打ち合わせと会議は青色、企画の考案や原稿の執筆はオレンジ、映画の公開や舞台の公演などのごほうびは緑色で登録するのがマイルールだ。Googleカレンダーが仕事関連の赤色、青色、オレンジで埋め尽くされてきたら危険信号だと捉え、すかさず緑色の予定を作るように心がけている。

生活が「やらなければならないこと」で埋め尽くされると、気分が沈み、モチベーションが湧きづらくなるもの。だからこそ色分けされたGoogleカレンダーで己の状態を予見し、小さなごほうびで自分を釣って、良い気分で満たすのだ。

「日記」でメンタル状態をモニタリング

スケジュールアプリはメンタル全般の管理にも使える。

この習慣を始めたきっかけは入社1年目の頃、ADの仕事があまりにキツく、自分を見失いそうになったことだ。人員が足りず、配属初日から5日間は会社に寝泊まりし、その後も週3日は徹夜する日々だった。

2クール(6ヶ月)続くドラマが終了した年末年始、仕事との向き合い方をちゃんと見直そうと決めた。そこで始めたのが、スケジュール帳に簡単な日記をつけて、自分の置かれている状況を把握することだ。

日記には、嬉しかった出来事、落ち込んだことやムカついたこと、改善していきたい点、体調について1行程度で書くようにした。数ヶ月続けてみると、スケジュールと自分の状態から、「これくらい仕事が詰まるとメンタルをやられるな」「こういうプレッシャーがかかると不眠になりがち」などと、不調に陥りがちなタイミングが見えてきた。また、メンタル不調の原因がクリアになり、ネガティブな感情にハマって悶々と悩むことがぐんと減った。

自分はどんな時にネガティブに、もしくはポジティブになるのか。これを日記という客観的なデータをもとに分析することは、ごきげんに生きる上でとても大切だ。

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要約公開日 2024.08.20
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