移動する人はうまくいく

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移動する人はうまくいく
出版社
出版日
2024年04月23日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

時間配分・住む場所・付き合う人を変えよ――人生を変えたい人に向けてよくなされるアドバイスだ。これを非常に高いレベルで実践したのが、本書の著者、長倉顕太氏である。

長倉氏は28歳から38歳まで、編集者として出版社に勤務し、多数のベストセラーを手がけた。これまでに企画・編集した本の累計は1100万部を超えるという。

そんな著者の人生は、会社員を辞め、拠点をハワイに移したことで一変した。この変化について、著者は本書で「自分の才能、能力がどんどん覚醒していって、収入が驚くほど高まった」と振り返っている。

自身の経験から、長倉氏は「移動する人はうまくいく」と断言する。「定住」「安定」は諸悪の根源だ。移動して環境を変えることによって、周囲の人に押しつけられたキャラクターから解放され、自分らしい生き方ができる。他の人にはない視点が身について、人生が楽しくなるし、それをコンテンツ化して稼ぐことだってできる。「定住」「安定」の人生を抜け出して「移動」しよう――これが本書のメッセージである。

といっても、誰もが著者のように、いきなり会社を辞めて海外移住できるわけではないだろう。本書では、すぐに「移動」できない人に向けた小さなアクションプランが30種類紹介されている。「即レス」「即イエス」「即報告」を心がける、通勤経路を変える、月1回はホテルに泊まる……これらを取り入れて、少しずつ自分を「移動体質」に変えてみてはどうだろう。退屈な人生に嫌気がさしている人や、新たな刺激を求めている人にぜひ読んでもらいたい。

著者

長倉顕太(ながくら けんた)
作家、プロデューサー、編集者。
1973年、東京生まれ。学習院大学卒業後、職を転々としたあと28歳のときに出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。今までに企画・編集した本の累計は1100万部を超える。
独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在は本やコンテンツのプロデュースや、これらを活用したマーケティングを個人や法人に伝えている。海外での子育て経験から、教育事業などにも携わっている。
著書に『超一流の二流をめざせ!』(サンマーク出版)、『親は100%間違っている』(光文社)、『モテる読書術』『GIG WORK(ギグワーク)』(共にすばる舎)、『常識の1ミリ先を考える。』(横浜タイガ出版)などがある。

インスタやXでも情報を発信中。
〈公式サイト〉
https://kentanagakura.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    著者は、会社員を辞めて「定住」「安定」という環境から飛び出し、移動する人生を選んだことで、才能と能力が覚醒した。
  • 要点
    2
    移動すれば、他人に押しつけられたキャラクターから解放され、自分の人生が始まっていく。
  • 要点
    3
    移動体質をつくるために、最低でも年4回は海外旅行に行き、国内旅行にも年4回以上は行くと決めてしまおう。移動体質を手に入れれば、人生が変わり始める。

要約

なぜ、移動する人はうまくいくのか?

諸悪の根源は「定住」

現代社会はいわば「不安情報社会」だ。不安を煽るような情報ばかりが報道され、人が憎しみ合い、人と人を比べ、人に優劣がつけられる。こうした社会のあり方は、まわりまわって貧富やいじめ、うつ病の問題につながっているのではないだろうか。

このような問題の原因の一つは「定住」にあるかもしれない。

人類の歴史を遡ると、定住によって文明が生まれたのは確かだ。ただその一方で、権力が生まれ、「より得する側」と「より損する側」というヒエラルキーがつくり出されたのも、定住によってである。

まったく違う環境に身を置くべき理由

狩猟時代の人類は、サバイバル能力がないと生き残れなかった。常に食料が手に入るとは限らないし、敵がいつ襲ってくるかもわからないからだ。

狩猟時代とは違う意味で、現代も変化の激しい、予測不可能な時代だといえる。ところが私たち日本人は、たった一つの答えを見つける教育しか受けてきていないから、予想外の出来事への対処が苦手だ。

そんな私たちがサバイバル能力をつけるには、日本のルールが通用しない国に行くのが近道だ。もしくは、会社員を辞めたり引っ越しをしたりして、今までのルールが通用しない状態をつくる手もある。

「移動」で才能と能力が開花する
YinYang/gettyimages

著者は38歳のとき、勤めていた出版社を辞めて独立し、ハワイに移住した。

会社員だったときは東京からほとんど動かなかったが、独立後は毎週のように日本全国を飛び回り、毎月アメリカと日本を往復している。そんな生活を経て、年収はどんどん上がっていき、本を出版するなど、会社員時代では考えられないような生き方になっていった。「定住」「安定」という環境から飛び出しただけで、自分の才能と能力が覚醒したのだ。

「定住」「安定」の環境にいるとき、私たちのキャラクターは固定されている。結果として、能力が制限され、人生は徹底的につまらないものになる。

人生を変えるというのは、自分のキャラクターを変えることに尽きる。つまり人生を変える近道は、環境を変えることによって新たなキャラクターを獲得することなのである。

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要約公開日 2024.08.14
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