サム・アルトマンがコンピュータと出合ったのは8歳の誕生日である。SFに夢中だった彼は、いつかコンピュータが自分で考えるようになると直感した。
2003年、アルトマンはスタンフォード大学に入学し、コンピュータ科学を専攻する。インターネット・ブームに乗って、ループトというスタートアップを立ち上げた。起業時には、シード・アクセラレータのYコンビネータの面接に合格した。アルトマンは2012年にループトを売却し、個人的に500万ドルを手にした。2014年には28歳でYコンビネータの社長に就任へ。その後、事業支援を通じて、リード・ホフマンやピーター・ティールなど、数々の起業家・投資家と緊密なコネクションを築き上げていく。
2015年、30歳を目前にしたアルトマンは新しい挑戦を求めた。子供の頃からの夢である「人間のように考えるマシン」、すなわちAGIこそ自ら実現すべきだと思い至ったのだ。AGIとは、人類と同様かそれを凌ぐほどの汎用的な知能を備えたスーパーAIのことだ。ちょうどAIの研究開発が長い冬を終え、この分野の研究開発に巨額の資金が流れ込んでいた。
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