成功の法則100ヶ条

未読
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成功の法則100ヶ条
出版社
出版日
2024年05月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「読めば、情熱が湧き上がる本」。それが、『成功の法則100ヶ条』を読み終えたときに真っ先に浮かんだ言葉である。

本書のもとになった『成功の法則92ヶ条』は、三木谷浩史氏が楽天グループの社員に語ってきたエッセンスをまとめたものである。その多くが、先を見通す力、やり切る力、挑戦する勇気について割かれている。同書は文庫版を合わせて10万部を超えるロングセラーとなった。今も楽天グループの全社集会や新入社員向け輪読会のテキストとしても活用されているそうだ。改訂版となる本書は、新たな8ヶ条を加えて、社会変革に挑むために大切な考え方を示した一冊だ。

社会を変えるブレイクスルーを生み出す際は、端から見ると不可能と思える道を見極めなければならない。周囲の意見を取り入れつつも、最後には、信じた道を猛然と突き進む。そのためには、世の中の概念を相対化し、「振れ幅」を持つことが重要である――。そう考える三木谷氏の実践的かつ使命感に満ちた言葉の数々が胸を打つ。

これらの言葉は、リスクを取り社会を切り開くアントレプレナーの方々はもちろん、より良い未来に向けて行動する方の背中を押してくれるだろう。

ビジネスで悩んでいるとき、三木谷氏の教えに触れることで、より力強く、新たな一歩を踏み出せるのではないだろうか。未来を創造する力を手にしたい方に、本書をおすすめしたい。

ライター画像
松尾美里

著者

三木谷浩史(みきたに ひろし)
1965年神戸市生まれ。1988年一橋大学卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。1993年ハーバード大学にてMBA取得。日本興業銀行を退職後、1996年クリムゾングループを設立。1997年2月株式会社エム・ディー・エム(現楽天グループ株式会社)を設立し、同年5月インターネット・ショッピングモール「楽天市場」を開設。現在、楽天グループとして、Eコマース、フィンテック、モバイル、デジタルコンテンツなど多岐にわたる分野で70以上のサービスを提供する。
また、2011年より東京フィルハーモニー交響楽団理事長を務めるほか、2012年6月に発展した一般社団法人新経済連盟の代表理事を務める。独自の技術基盤「アルミノックス™プラットフォーム」を基に、医薬品・医療機器の開発および販売を行う、Rakuten Medical,Inc.の副会長兼Co-CEOも務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    大切なのは揺らぎながら進歩することだ。大きく成長するために、突破すべき壁をはっきりと見せてくれるのは「明確な目標」だ。
  • 要点
    2
    信頼関係を築くためには、「付加価値」を創造し続けて、WIN- WIN関係を構築することが重要となる。
  • 要点
    3
    社会の変革をドライブするアントレプレナーシップは、ますます大きな意味を持つ。時には国家の方針に「反逆」するくらいの姿勢が求められる。

要約

10の極意

概念は相対化し、揺らぎながら進化する。

概念が相対化するのは、どんな概念も絶対ではないからだ。この世のすべてのものは相対的な存在だ。まして、人間が考えることで、絶対に正しいものなどあるわけがない。だから、常識という不確かなものを信じてはいけない。

大切なのは揺らぎながら進歩することだ。バランスを崩してはバランスを回復する。その繰り返しで人は前進する。

この認識はビジネスの現場でも役に立つ。三木谷氏が楽天市場を始めたとき、「インターネットのショッピングモールなんてアイディアは陳腐で時代遅れだ」といわれた。しかし、世の常識はいい加減なのだ。常識を疑い、信じる道を進もう。

アポロが月に行けた理由
Elen11/gettyimages

人も企業も大きく成長するには、ブレイクスルーを経験しなければならない。限界を突破して初めて次のステージが見えてくる。その壁をはっきりと見せてくれるのが「明確な目標」だ。

アポロが月に行けたのは、月に行くという目標があったからだ。飛行機を改良した結果、月に行けたわけではない。ジョン・F・ケネディ氏が60年代末までに月面に人を送り込むという声明を発表したのは、1961年のことだ。演説の背景には、アメリカ人のスプートニク・ショックがあった。ソ連に人工衛星で先を越されたショックを払拭し、アメリカ国民の心を奮い立たせるために、ケネディは「9年以内に月に人類を送り込む計画を達成する」と期限を切った。それは、常識的にはほぼ不可能な目標だったはずだ。だが、だからこそ、宇宙開発に携わる人々に、目の前の壁の存在を自覚させた。そして、明確で具体的な目標を掲げたからこそ、彼らはそのすべての壁を乗り越えた。

これはあらゆるビジネスに当てはまる真理だ。必ず実現させるという信念を持って、大きな目標を立てよう。それが人や企業を飛躍的に成長させる。

成功を生むのは「0.1%の改善」

準備のできていない人間は、大きなチャンスに手を触れることすらできない。楽天がITバブルの波に乗って成長できたのは、周到な準備があったからだ。その準備とは、日々の小さな努力の積み重ねでしかない。

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要約公開日 2024.08.28
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