うまく雑談できる人は質問をし、できない人は「さっそくですが」と言う。
著者はかつて、営業の仕事をしていたとき、友人に誘われてNLP心理学を使った心理療法の講座を受けに行ったことがある。そこで先生が見せてくれた「クライアントと初めて面談をするときの見本」は驚くべきものだった。自己紹介や会社紹介をほとんどせず、すぐに雑談に入るのだ。しかもその雑談は、すべて質問形式だった。
「今日は暑いですね~。エアコンの温度はいかがですか?」
「この場所、すぐにわかりましたか?」
「ちょっと駅から遠いので迷いませんでしたか?」
数分間かけて質問をし、クライアントにしゃべらせた後に「今日はどんなことをすっきりさせたいですか?」と本題に入った。
その間、先生自身はほとんど話さない。質問し、クライアントの話に大きめにうなずき、オウム返しや驚きのリアクションをして、クライアントの話を促す。このようなコミュニケーションを通して、信頼関係を築いていた。
うまく雑談できる人は名刺を話題にし、できない人は「最近のニュースで」と言う。
あるとき、人脈王と言われる人に誘われて交流会に行った著者は、彼のコミュニケーションをじっくり観察した。
彼は、押しが強いわけでもなく、話題を繰り広げるわけでもなく、自分のすごさをアピールするわけでもないのに、場を盛り上げている。コツをたずねると、「見えているものを片っ端から話題にすればいいんだよ。今の場合なら、名刺を受け取ったら、名刺の情報を徹底的に話題にしているだけだよ」と教えてくれた。
3,400冊以上の要約が楽しめる