人の本音を聞き出すのは難しい。初対面の人はなおさらで、当たり障りのない会話で終わってしまうことが大半だ。
それでも、「本当のところ」を聞きたい相手に会うときにはコツがある。それは、会話の糸口となる話題を3つ以上用意することだ。
たとえば、事前に相手の情報をチェックして、自分と相手との共通点を探すのだ。方法としては、相手の会社のウェブサイトのスタッフ紹介ページを見る、SNSを検索する、共通の知人がいれば差し障りのない程度にその人のことを聞いてみる……などである。
事前情報が得られないなら、会ったときに「好き」なことを共通項として話題にするといい。たとえば、相手の身につけているものをいいと思ったら「その色、私も好きなんです。素敵ですね」と言ってみる。そのほかにも、コスメ好きなら美容やコスメの話、好きな映画や最近読んだ本の話など、お互いの共通項を見つけてそれを話題にしてみよう。
相手との共通項が3つ以上あると話が盛り上がり、親近感が高まる。それから聞きたいことを聞くと、案外ポロッと本音を漏らしてくれるものである。
髪型が変わる、いつもと洋服の雰囲気が違う……など、相手の小さな変化に気づいたら、言葉にして伝えよう。気になった変化を伝えることは「あなたに興味関心がある」という意思表示でもあるからだ。
著者が渋谷109のショップで働いていた頃、お客さまとの会話で「いつもと違う雰囲気のワンピースですね。どこかへ行かれるんですか?」「実はこれからデートなんです」というようなやりとりが、よくあったという。
また、体調が悪そう、怪我をしているなど、「悪い変化」も見て見ぬふりをしてはいけない。上司が松葉杖をついていたら「足、どうされたんですか?大丈夫ですか?」と聞くだろう。しかし大事な商談の場など、ほかに優先させたいことがあるときはそれをスルーして、すぐに本題に入ってしまうことはないだろうか。
そんなときこそ、あえて「気遣いのひとこと」をかけてほしい。誰もが気になっているだろうし、その人も周りを気遣って言わないだけかもしれない。「自分はいいから本題に入って」と言う人には、「わかりました。もし休憩が必要ならおっしゃってください」とだけ伝えて、本題に入ればいいのである。
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