時間を有効に使うために、より生産的になるにはどうしたらいいだろうか。まずは、「生産的になる」という意味を明らかにする必要がある。著者は生産性を「楽しいと思うことや有意義だと感じることをして、その一方で大切な人と一緒に過ごすこと」と定義する。つまり、あなたが無意味だと感じることに時間を費やして、できれば他の場所で他の人と他のことをしたいと願っているなら、時間は有効に使えていないということだ。
ただし、取り組んでいることに楽しさを見いだせなくても、そこに意味を見いだすことは可能だ。たとえば、つらい仕事でも、それで家族を養うことができたり、人の生活の役に立てている実感があったりすれば、それは生産的な行動になる。やりたいことだけをやるだけが有効な時間の使い方ではない。
次に重要なのは、有意義な人間関係を築くことである。末期患者の心理を記録した看護師によると、死を目前にした人たちに共通する大きな後悔のひとつは、大切な人とふれあう時間が少なかったことだ。もし今日死ぬとしたら、誰との関係が疎遠になっていたことを後悔するだろうか。もう一つの重要なことは、仕事でもプライベートでも、楽しいと思える行動をすることである。本当に楽しいと思える活動をしていると、時間の経過を忘れる。それは、心から満足する方法で生産性を高めている証だ。
時間をうまく使いこなすということは、仕事に意味を見いだし、有意義な人間関係を築き、ワクワクするような趣味を持っていることである。では、今日あなたが取り組むべき、有意義なことはなんだろうか。
後悔しない時間の使い方とは、時間を管理することではない。なぜなら、1時間の価値は変動するからだ。たとえば、朝にエネルギーが満ち溢れている人にとって、朝の1時間は夜の1時間の2〜3倍の価値に匹敵する。生産性は時間の有無だけではなく、その時間のエネルギー量とも関係しているということだ。
また、1時間の価値は課題へ専念することによって高めることができる。集中したいことがあるのに、5分ごとにスマートフォンを見ていたら、1時間の価値は低くなる。
3,400冊以上の要約が楽しめる