後悔しない時間の使い方

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後悔しない時間の使い方
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2024年02月23日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

今日したことを継続したら、5年後には目標に到達できるだろうか。要約者にずしりと響いた本書の問いかけだ。目標のために、この24時間に何をしたのか、あるいは何をしなかったのか。非常にシンプルでありながら、無自覚に時間を浪費している人には効果抜群の問いかけだ。

本書のテーマは、タイトルの通り「後悔しない時間の使い方」である。先延ばしを避けるための方法や時間への正しい認識の持ち方など、生産性を高めるための方法が紹介されているだけではない。本書の特徴は、そうした手法の紹介だけでなく、読み手にアクションを促すしかけが多いことだ。たとえば、過去に起きたネガティブな出来事にポジティブな意味を与えようとする箇所では、「その出来事から何を学んだか?」「それを成長に結びつけるにはどうすればいいか?」と問いかける。長期的なビジョンを明確にしようと呼びかける項目には、「本当に手に入れたいものは何か?」「すべてのことで成功するとしたら、5年後にはどうなっていたいか?」といった質問が並ぶ。自分の考えをまとめたり、自分に向き合ったりするためのエクササイズも随所に散りばめられており、本を読み進めながら自分なりのアクションに落とし込めるようになっている。

「やりたいことをする時間がない」「そもそも何をすべきなのかわからない」と悩む人は多い。だが、誰しも人生を充実させたいという思いを持っているはずだ。時間を有効に使えていないと感じている人には本書を強くおすすめしたい。あなたが時間を有効に使えない理由がなんであれ、きっとあなたの悩みに響く著者からのメッセージが見つかるはずだ。

ライター画像
霧島大和

著者

ティボ・ムリス (Thibaut Meurisse)
1985年、フランス生まれ。ビジネスコーチ、著述家。フランスの大学を卒業後、一橋大学でMBA (経営学修士)を取得し、東京のコンサルティング会社での勤務などを経て帰国。英語で書いた著書は20冊以上あり、23か国語に翻訳されて累計発行部数は80万部を突破している。訳書に 『理想の自分をつくる100の法則』 『「ひとりが好きな人」の上手な生き方』(ともにディスカヴァー)がある。現在、エストニア在住。趣味は心理学、能力開発、旅行、外国語学習。

本書の要点

  • 要点
    1
    先延ばしとは、人生で最も重要な今日を無視することである。自分が先延ばしをしてしまう理由を明確にすれば、適切な対策をとることができる。
  • 要点
    2
    今この瞬間は、あなたが持っている唯一の時間である。過去にこだわり、未来について心配していると、現在の価値は失われる。今この瞬間を大切にすればするほど人生は豊かになる。
  • 要点
    3
    後悔しない人生をおくるためには、長期的なビジョンも重要だ。今日したことを継続したら、5年後には目標に到達できるか、自分自身に問いかけてみよう。

要約

生産性の本質を理解する

生産性の定義を明確にする
Nuthawut Somsuk/gettyimages

時間を有効に使うために、より生産的になるにはどうしたらいいだろうか。まずは、「生産的になる」という意味を明らかにする必要がある。著者は生産性を「楽しいと思うことや有意義だと感じることをして、その一方で大切な人と一緒に過ごすこと」と定義する。つまり、あなたが無意味だと感じることに時間を費やして、できれば他の場所で他の人と他のことをしたいと願っているなら、時間は有効に使えていないということだ。

ただし、取り組んでいることに楽しさを見いだせなくても、そこに意味を見いだすことは可能だ。たとえば、つらい仕事でも、それで家族を養うことができたり、人の生活の役に立てている実感があったりすれば、それは生産的な行動になる。やりたいことだけをやるだけが有効な時間の使い方ではない。

次に重要なのは、有意義な人間関係を築くことである。末期患者の心理を記録した看護師によると、死を目前にした人たちに共通する大きな後悔のひとつは、大切な人とふれあう時間が少なかったことだ。もし今日死ぬとしたら、誰との関係が疎遠になっていたことを後悔するだろうか。もう一つの重要なことは、仕事でもプライベートでも、楽しいと思える行動をすることである。本当に楽しいと思える活動をしていると、時間の経過を忘れる。それは、心から満足する方法で生産性を高めている証だ。

時間をうまく使いこなすということは、仕事に意味を見いだし、有意義な人間関係を築き、ワクワクするような趣味を持っていることである。では、今日あなたが取り組むべき、有意義なことはなんだろうか。

変動する時間の価値を理解する

後悔しない時間の使い方とは、時間を管理することではない。なぜなら、1時間の価値は変動するからだ。たとえば、朝にエネルギーが満ち溢れている人にとって、朝の1時間は夜の1時間の2〜3倍の価値に匹敵する。生産性は時間の有無だけではなく、その時間のエネルギー量とも関係しているということだ。

また、1時間の価値は課題へ専念することによって高めることができる。集中したいことがあるのに、5分ごとにスマートフォンを見ていたら、1時間の価値は低くなる。

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要約公開日 2024.10.01
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