「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法

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「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法
出版社
リベラル社

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出版日
2024年06月24日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

人間関係には気づかいや思いやりが欠かせない。しかし、相手に親切にしているにもかかわらず、損をしたり裏切られたりすることもある。

それに凝りて「もう、人のために行動しない!」と思っても、ついまた優しくしてしまい、再び傷つけられる……を繰り返す。これは、周りの人間に恵まれていないからなのか? 本書ではその答えに「ノー」と言う。他人に振り回されてしまうのは、相手ではなく「自分」に原因があるのである。とはいえ、それは性格によるものではなく、「脳」の働きによるものだという。

本書によると、脳は無線LANのように、無意識のうちに他人の脳とネットワークでつながれている。そのため、相手の感情がいつの間にか自分の脳に侵入し、それに同調してしまうのだ。相手があなたを「振り回されやすい人だ」と思うとそれがあなたの脳に伝わり、「私はこの人に振り回される」と自己暗示に変換された結果、振り回されるような言動を取ってしまうのだという。

逆の発想をすれば、流れ込んでくる感情を遮断したり、都合がいいように自分の脳に暗示をかけたりすれば、振り回されなくなるということだ。それどころか、人間関係が好転していく可能性すらある。

本書では、暗示を使って人間関係を改善する方法が紹介されている。「相手の呼吸に自分の肩の動きを合わせるだけで、人間関係が改善する」という驚くようなものもあるが、試してみない手はない。誰かに振り回されて悩んでいる人は、読んで損はない一冊だ。

ライター画像
中山寒稀

著者

大嶋信頼(おおしま のぶより)
心理カウンセラー/株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役
米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。
ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発。
アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。
嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。
「どんな人でも心の傷があり、その人が認識していない心の傷でも治療することで、もっと自由に生きることができるのではないか?」と心的外傷治療に新たな可能性を感じ、インサイト・カウンセリングを立ち上げる。
「自由に生きられるようになるということは、生活の中で的確に自己主張ができるようになり、より幸せな人生を選択できるようになること」と考え、多くの人が自由に生きられることを目指し、治療を行っている。
カウンセリング歴30年、臨床経験のべ9万件以上。

著書に『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(すばる舎)、『無意識さん、催眠を教えて』(光文社)、『「与えあう」ことで人生は動きだす』(青春出版社)、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(ダイヤモンド社)、『催眠ガール 2』(清流出版)、『動物にタイプ分けで簡単! あなたの周りのイヤな人から身を守る方法』(エムディエヌコーポレーション)など多数。
ブログ「緊張しちゃう人たち」や会員制オンライン講座「無意識の旅」をほぼ毎日更新している。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手に振り回される原因は自分にある。相手の気持ちを優先することで相手はわがままになり、要求がエスカレートしていく。
  • 要点
    2
    「脳のネットワーク」は、意識しなくても常に他人とつながっている。相手の気持ちを考えすぎると、相手の人格が自分に乗り移って“憑依”してしまう。
  • 要点
    3
    他人に振り回されるのは、そうなるように自己暗示をかけているからだ。その逆の暗示を自分にかければ、相手の支配から逃れることができる。

要約

なぜ、いつも誰かに振り回されるのか?

振り回される原因は自分にあった!

相手の気持ちを考えて行動するのは、思いやりがある優しい行為だ。しかし、そのために時間をムダにしたり、自己嫌悪に陥ったりしてしまうこともある。

ある女性は、求職活動中の男性に親切心から仕事を紹介した。ところが、その男性は就職すると給料に対する不満を口にし、その会社の悪口を言うようになった。女性はそんな男性に対し、悔しさと怒りを感じているという。

実はこの女性は、相手に親切にした結果、裏切られるという経験を何度も繰り返している。

一見、相手に問題があるように思えるが、実は問題は自分の側にある。求めることをして“あげる”ことにより相手が「モンスター化」し、自分が振り回されてしまうのだ。

低姿勢になるほど相手はつけあがり、わがままになっていく。要求はエスカレートし、いつのまにか親切にした人を加害者扱いすることもある。相手の気持ちを優先した結果、相手に振り回されてしまうという現象が起こるのだ。

振り回されると自分を見失う
sesame/gettyimages

相手の気持ちが優先になっていると、本当の自分の気持ちがわからなくなる。そうなると常に相手の気持ちを考えて、嫌われないように努力し続けるようになってしまう。しかし、人間は本来「成功したら自分のおかげ、失敗したら相手のせい」と考えるものだ。

せっかく努力したのに感謝されないから「自分のどこが悪かったのか?」と自己反省をし、不安になる。やがてその不安は、感謝がないことに対する怒りや恨みに変わっていく。

ところが「もう親切にするもんか!」と決心しても、再び親切にされるとそれを真に受けて、「いい人なのかもしれない」と考えてしまう。しかし、再び相手が不機嫌になると「何か悪いことをしてしまったのかも」と悩み、相手の感情に振り回されてしまう。

相手の言葉を真に受ける傾向がある人は、相手の感情に振り回され、一喜一憂させられる。やがて相手のことが頭から離れなくなり、「自分」という存在を見失ってしまうのだ。

これらは性格や言動の問題ではなく、「脳のネットワーク」の問題である。

【必読ポイント!】 脳は見えないネットワークでつながっている

相手の感情がうつる理由

脳の「ミラーニューロン」という神経細胞は、他人の動作を見ると、自動的に脳の中で相手のまねをすることがわかっている。緊張している人のそばにいるだけで緊張がうつってしまうのは、この働きによるものだ。

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要約公開日 2024.10.11
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