ネガティブな自分のゆるし方

未読
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ネガティブな自分のゆるし方
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2024年07月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「ネガティブな感情」はなくした方がいいか――本書の答えはNoである。

ネガティブな感情も、自分の中に自然に湧き上がってくる重要な感情だ。ネガティブな感情は、ときには健全な成長の糧となる。だから、無理になくす必要はない。

とはいえ、現代は過剰なほどにネガティブな感情が湧き起こりやすい環境である。変化の激しい世の中の情勢、働き方の多様化によるキャリア決定の重要性、他人との比較が止められないSNS――ネガティブな感情にふりまわされて、悩みを抱えている人は少なくないはずだ。

そんなネガティブ感情にとらわれてしまった人に、本書はやさしく寄り添ってくれる。著者は、企業内カウンセリングを含め、2万人以上のカウンセリングを行ってきたカウンセラーだ。官公庁・企業・大学にて講演・研修を6万人以上、メディア出演も多数と、人間関係改善のプロフェッショナルである著者が、本書では83のシーンを題材に、ネガティブ感情との付き合い方をレクチャーしてくれる。

「これは自分のことかもしれない」「こういうときはこうすれば良いのか!」と、読みながらたくさんの“気づき”が得られるに違いない。ネガティブに考えすぎてしまう人、ネガティブな感情に否定的なイメージを持っている人、自分はネガティブ思考にならないと思っている人、さまざまな人におすすめしたい一冊だ。

ライター画像
鈴木えり

著者

大野萌子(おおの もえこ)
公認心理師/2級キャリアコンサルティング技能士/産業カウンセラー
一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事、企業内カウンセラーをはじめとする相談業務において2万人以上のカウンセリングを担当。また長年の現場経験を生かし、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント教育を得意とする。官公庁・企業・大学などで講演・研修を6万人以上に実施。著書にシリーズ51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)ほか、『世界一受けたい授業』などメディア出演多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    ネガティブ感情そのものは悪いものではない。自分の感情を受け止め、ネガティブ感情の「置き場所」を変えよう。
  • 要点
    2
    すべてを「0か100か」で考えていると、100点をとれない自分に0点を与えたくなってしまう。物事の曖昧さを受け止め、100点ではない自分の頑張りも認めるようにしよう。
  • 要点
    3
    相手の誘いを断れないのは、「相手に合わせないと嫌われてしまう」という自衛の気持ちがあるせいかもしれない。自分の気持ちを口に出す練習をして、「話しにくい人」に「言いにくいこと」を言えることを目指そう。

要約

【必読ポイント!】 「ネガティブな自分を許す」基本的な考え方と誤解

ネガティブ感情は悪いものではない

心配、モヤモヤ、嫉妬、焦り、苦しさ、失望、孤独感。こうした「ネガティブな感情=悪いもの」だと思われがちだ。しかし、著者はカウンセラーの立場から、それは大きな誤解だと指摘する。ネガティブな感情は決して悪いものではない。

例えば「明日のプレゼンは絶対に失敗できない」という不安は、入念な準備につながる。悠長に構えて何の準備もしない方が、悲惨な結果を招くかもしれない。ネガティブ感情は健全な成長を促す「原動力」にもなる。だから、なくしたいと考える必要はない。

周囲の期待に応えて成果を挙げていた新入社員が、途中で心がポキッと折れて休みがちになるというケースがよくある。これが起きやすいのは「いつでもポジティブな人」だ。原因は、ネガティブな感情に気づけないほど心のセンサーが鈍感になっているか、自分の気持ちにふたをしていること。ポジティブとネガティブの両方がある現実を受け止められる人の方が、幸せを感じやすいものなのだ。

ネガティブ感情を一旦受け止める
Marcio Binow Da Silva/gettyimages

心にネガティブな感情が生まれたとき、「こんな気持ちではダメだ……」とその感情を否定する人が多い。しかし、心理学には人の感情に「良し悪し」は存在しないという考え方がある。

ポジティブ感情も、ネガティブ感情も、湧き上がってくるのは自然なことで、抑えられなくて当然だ。それを自分で否定する必要も、人から否定される不安を感じる必要もない。

ネガティブ感情の「置き場所」を変えるには、自分の感情というものを事実として認識した上で、良し悪しを判断せずに「受け止める」ことが大切だ。湧き上がってくる感情に対して「悪いこと」「良いこと」と区別するのはやめよう。悪い感情は感じないようにしようとし続けていると、自分の気持ちが自分でもよくわからなくなってきてしまう。どんな感情でも、ありのままを受け止めるようにしていこう。

不安は雪だるま式に膨らんでいく

不安なことが1つ起きると、ネガティブなストーリーが頭の中で次から次へと展開し、不安が雪だるまのように膨らんでいくことがある。不安を大きくしていくのは、自分自身の果てしない想像力だ。だが、シンシナティ大学の研究によると、不安に思ったことの約9割は現実には起こらないし、問題が起きたとしても解決できるレベルだったという報告がある。

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要約公開日 2024.10.12
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