はじめてリーダーになる女性のための教科書

未読
はじめてリーダーになる女性のための教科書
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はじめてリーダーになる女性のための教科書
出版社
日本実業出版社

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出版日
2024年07月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

女性リーダーを増やそうという機運が高い今、リーダーや管理職になる女性は増えている。しかし、リーダーになるにあたって、人を管理したりこれまでより責任が重くなったりすることに対して、ためらう人もいるだろう。「はじめてのリーダー」はどんな心持ちで臨めばいいのか。

本書の著者は、男性が多い工場という職場で、初の女性管理職になった経験を持つ。管理職を打診された当初は「なぜ自分が」と戸惑い、「自分にはできない」とまったく自信がなかったという。

だが、リーダーとして仕事に携わる機会は、すべての人が得られるわけではない。著者は自分が選ばれた理由を前向きに受けとめ、自分ができることに向き合っていった結果、メンバーを助け、問題解決の手腕をいかんなく発揮できるリーダー職を楽しめるようになったという。

本書は、昇進の喜びよりも不安や戸惑いの大きい、新人女性リーダーに向けて書かれた一冊だ。「なりたい」と思っていなくても、ぐいぐい引っ張る性格でなくても、人を巻き込むのが苦手でも、リーダーに向いていないことはない。著者は自身の経験や失敗談を交えながら、優しく「あなたらしいリーダーになればいい」と、背中を押してくれる。

本書は、これから自分のキャリアを考えようとしている人にもすすめたい。リーダーって忙しそう、自分にできるか不安……という人は、一読してみてはいかがだろうか。読後、「リーダーも悪くないな」という気持ちになれることだろう。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

深谷百合子(ふかや ゆりこ)
研修講師/合同会社グーウェン代表。大阪大学卒業後、ソニーグループ、シャープで工場の環境保全業務を行う。2006年、シャープ亀山工場初の女性管理職となり、約40名の男性部下を抱えるが、仕事を任せられず、リーダーシップとは何かに悩む。失敗して萎縮する部下のフォローをする中で、自分らしいリーダーのあり方を見出す。2013年から部長職として中国国有企業との新工場建設プロジェクトに参画。その後、中国国有企業へ転職。動力運行部の技術部長として約100名の中国人部下を育成する。現在は職場コミュニケーションの改善を主なテーマに、講演や研修を行っている。著書に『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(かんき出版)がある。

Webサイト:https://guwen-fukaya.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    「どんなリーダーになりたいか」ではなく、「チームのために、自分は何ができるのか」を考えることが重要だ。
  • 要点
    2
    リーダーはまず、チームメンバーの考えを知ることが大切だ。チームのビジョンも業務改善も、メンバー一人ひとりと話すことから始めよう。
  • 要点
    3
    仕事を任せるのが苦手な人は「頼る経験」を積んでいこう。メンバーの「得意」を知り、小さな頼る経験を重ねていけば、そのうち自然に任せられるようになるだろう。
  • 要点
    4
    仕事を任せることは、相手に「成長の機会」を与えることである。

要約

【必読ポイント!】リーダーになってしまったら

引っ張るだけがリーダーじゃない

グイグイみんなを引っ張って、決断力があり、人々を壮大なビジョンで巻き込む。リーダーにはそんなイメージがあるかもしれない。著者もその一人だったが、自分にはとても無理だと感じていた。

では、どのようなリーダーになればいいのか。悩んだ著者が目指したのは、一般社員時代に「ああはなるまい」と反面教師にしたリーダーにはならないことである。しかし、これもうまくいかなかった。チームメンバーが退職するたびに、自分のせいではないかと自分を責めた。

その考えが変わったのは、課長になってから5年、40名近くの部下を持ったときである。メンバーと会話をしていくなかで、自分が引っ張らずとも、みんなを後押しすれば目標に向かっていけるということに気づいたのだ。

リーダーとして必要なのは「自分がどんなリーダーになりたいか」ではなく、「チームのために何ができるか」という視点だ。反面教師のリーダー像は、「自分は部下に嫌われたくない」という気持ちの裏返しである。

「チームのために何ができるか」を考えると、やるべきことは自ずと見えてくる。その積み重ねが、自分らしいリーダーシップにつながるのだ。

選ばれたのには理由がある
kyonntra/gettyimages

「自分がリーダーに選ばれた」のには理由がある。自分は「大したことない」と思っていることも、他人から見たら「すごい」ということも少なくない。

著者が部長から課長職の昇格試験を受けるよう薦められたとき、「過大評価しているのでは」と思った。著者は自身のことを「他人とあまり関わらないタイプ」と認識していたが、部長は「新入社員が入って来たとき、テキストをつくってよく面倒を見てくれた。あなたは自分が思うよりも、人と協力して仕事ができるタイプだよ」と、推薦した理由を教えてくれた。

会社は、順番や年齢、性別だけで昇格を打診しない。その人の仕事ぶりや人となりをきちんと評価しているからこそ、推薦するのだ。

自分がなぜ選ばれたのか。なぜ評価してもらえたのか。聞くのは気恥ずかしいかもしれないが、思いきって上司に聞いてみよう。あなたが選ばれた理由を、喜んで教えてくれるはずだ。

いろんなリーダーがいてもいい

子育て中で時短勤務をしている人など、「時間に制約のある」人の仕事は生産性が高い。通信系の会社に勤めるYさんもその一人だった。

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要約公開日 2024.10.13
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