日経マネーと正直FPが教える

一生迷わないお金の選択

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一生迷わないお金の選択
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一生迷わないお金の選択
出版社
出版日
2024年08月26日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書『一生迷わないお金の選択』は、日経マネーの大口克人氏と、金融・保険商品を一切売らない「正直FP」の菱田雅生氏とによる共著であり、大人気シリーズの第2弾にあたる。NISA制度の拡充や日経平均の上昇を背景に、今まさに「お金の選択」に迫られている、そんな人たちの悩みに応える一冊だ。

本書は、私たちが日々直面するお金に関する迷いや選択を「A or B」という二択形式で整理し、プロの視点からわかりやすく解説している。「お金を貯めるには預貯金で十分か、リスク商品で投資すべきか」「住居は持ち家か賃貸か」など、誰もが考えたことのある悩ましい問題を網羅している。

特に本書の魅力は、FPとして中立な立場で情報を提供する菱田氏と、大口氏が日経マネーで培った豊富な経験をもとに、読者が自分に合った最適解を導き出せるようにしている点だ。どちらの選択肢にもメリットとデメリットがあり、一概にどちらが正しいというわけではない。だからこそ、2人のプロが提供するアドバイスが光る。

新NISAのスタートや金融市場の不安定さが続く今、誰もがお金の問題に無関心ではいられない。お金に関して正しい選択をし、将来に備えたいと思うなら、本書は大いに役立つはずだ。身近で具体的な二択からお金のことを学べる、初心者にもおすすめの一冊だ。

著者

菱田雅生(ひしだ まさお)
ファイナンシャル・プランナー(CFP®、1級FP技能士)、ライフアセットコンサルティング株式会社代表取締役。1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、山一証券に入社し、営業業務に携わる。山一証券自主廃業後、独立系FPに。金融商品や保険商品を一切売らない正直FPとして講演や執筆を中心に活動。これまで26年間で講演回数4600回超、コラム執筆3000本超(ともに2024年6月現在)。テレビやラジオでも活躍。YouTube「正直FPヒッシー先生の『お金の増やし方』チャンネル」、Voicy「正直度100%お金のラジオ」でも情報配信中。近著に『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)がある。

大口克人(おおぐち かつひと)
日本経済新聞 金融・市場ユニット、日経BP『日経マネー』編集委員。1991年、日経ホーム出版社(現・日経BP)に入社。『日経マネー』編集部に配属以来、『日経マネー』編集長、日本経済新聞マネー報道部長、『日経マネー』発行人などを経て33年以上を個人の資産形成の研究に費やす。新聞・雑誌・書籍・ウェブなど多くの媒体を経験し、金融セミナーの講師・モデレーターも行う。日経電子版「マネーのまなび」セクションを担当し、BSテレ東「マネーのまなび」「日経モーニングプラスFT」、テレビ大阪「もしものマネー道 もしマネ」、日経ポッドキャスト「REINAのマネーのとびら」などに出演中。

本書の要点

  • 要点
    1
    「貯金」か「投資」か。預貯金は安全資産とされるが、円安やインフレといったリスクがあり、金利はかなり低く抑えられている。よりお金を増やしたいのであれば投資をする必要がある。
  • 要点
    2
    「企業型DC・iDeCo」か「NISA」か。老後資金がメインであればまずはDCを満額行い、そのうえでNISAも組み合わせるのがいいだろう。
  • 要点
    3
    年金は「繰り上げ」か「繰り下げ」か。どちらが得かに正解はない。国民年金と厚生年金でそれぞれ分けて受給できるため、生活状況に応じて判断するといいだろう。

要約

お金との向き合い方

資産形成は「まず計画を立てて始める」or「なんでもいいからとりあえず試してみる」

一生安心できるだけの資産形成を行う方法が知りたいという人はたくさんいる。最初につまずくと回復に時間がかかってしまうため、安全で効率のいい方法を選びたいところだ。

大口氏は、女性向け投資勉強会を主催する永田雄三氏の「準備もなしに、散歩の途中で富士山に登れる人はいない」という言葉を引きながら、大きな目標に対して、どうすれば最短ルートで到着できるのか、ロードマップを考えることの重要性を説明する。突然「どの株を買うか」を考えてもうまくいくはずがない。まずはどんな場所に住んで、どんな働き方をしたいのか。結婚や子育てはどうするか。こうした点から考えはじめる方が、成功確率が高まる。

一方、投資は「習うより慣れろ」の世界でもある。つまり、実際に試して経験値を高めることも重要なのだ。ある程度の計画を立てたのちは、飛び込んでみる姿勢も必要だ。

お金を貯めるには「預貯金で十分」or「リスク資産で投資する」
Tatomm/gettyimages

まとまった預貯金があるから、投資は必要ない。そう考える人も少なくないが、菱田氏は2つの理由から、預貯金だけでは不十分だと強調する。

1つ目の理由は、預貯金は「増えない」ということだ。日本銀行がマイナス金利政策の解除を行ったことで、大手銀行の預貯金の金利は17年ぶりに引き上げられた。しかし、それでも普通預金が年0.02%、定期預金が0.025%になった程度の微々たる変化だ。かつては定期預金だけで5~7%程度の利息がついて、預けたお金が10年で2倍超になるような時代もあった。その頃であれば、投資をした人と預貯金だけだった人の間に大きな差は生まれなかったが、今では両者の差が大きく開く時代になっている。

2つ目の理由は、預貯金だからといって安全とは限らないという点である。投資には減るリスクがあるから貯金の方が安全だと考える人がいるが、実際はそうとは言い切れない。昨今はインフレや円安のリスクがあり、お金の価値が目減りしやすい。だからこそ、インフレに強いとされる株式や不動産、円安に強い外貨建てといった形で資産を保有することが、リスクに備えることにつながるのだ。

預貯金をしてはいけないというわけではないが、リスクに備えるために、リスク商品の検討が必要なのだ。

【必読ポイント!】 投資の始め方

まず使うなら「企業型DC・iDeCo」or「NISA」

「確定拠出年金(DC)と、NISA、どちらを優先すべきですか?」

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要約公開日 2024.10.20
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