伝え方図鑑

当てはめるだけで「結果」が変わる!コミュニケーション・フレーム73
未読
伝え方図鑑
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当てはめるだけで「結果」が変わる!コミュニケーション・フレーム73
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伝え方図鑑
出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2024年06月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

相手に伝えたつもりなのに、うまく伝わっていないことがある。「どこかにズレがあったのだろうか?」「何か言い忘れているのかも」と、さまざまな思いが頭をよぎる。

そんな「伝わらないモヤモヤ」を抱えているビジネスパーソンにおすすめしたいのが、本書『伝え方図鑑』である。あらゆる「伝え方」の構造を「型」で示し、それに当てはめるだけで「伝わる」コミュニケーションができるという、嬉しい一冊だ。

本書では73の「伝え方の型」が、見開きごとに紹介されている。シンプルな図解とメリハリの効いたレイアウトで、パッと見ただけで理解できる「図鑑」スタイルである。また、その型を使いやすいシーンや例文、使うときの手順とチェックポイントなども記載されており、実用性も抜群だ。

著者は、博報堂ケトルでコピーライターとして活躍する井手やすたか氏だ。著者によると「言いたいことが伝わらない」裏には、構造的な問題があるという。人は伝えようとするとき、「何を」伝えるかを意識しがちだが、相手にちゃんと「伝わる」ためには、「どう」伝えるかのほうが重要だ。本書では「どう伝えるか=伝え方」を目的別に整理して、いつでも誰でも使える「型」にして公開している。

プレゼンが苦手、上司から「何を伝えたいのかわからない」と言われる、会議で発言が回ってくるのが怖い……など、「伝えること」に何らかの不安や苦手意識のある人にとって、本書は心強い存在となるだろう。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

井手やすたか(いで やすたか)
博報堂ケトル
コピーライター/クリエイティブ・ディレクター
1980年生まれ、佐賀県出身。2004年東京大学経済学部卒業、博報堂に入社。マーケティング戦略プランナーを経て、2008年からコピーライターに転身。コピーライターになった当初は、仕事もヒットせず賞もとれない日々が続く。
このままではいけないと、世の中の名作コピーや名言の仕組みを論理と感性の両面から分析することに没頭。長い時間をかけて、その独自の方法論を見出し、少しずつ結果が出始める。
2024年現在、コピーライターとして培った「言葉の技術」を得意とするクリエイティブディレクターとして、数々の広告キャンペーンやブランド戦略、PRでの話題化、商品開発/事業開発など幅広い案件を手掛けながら、社内外でコピーライティングやコミュニケーションに関する研修・講義などを精力的に行っている。2022年~、出身地・佐賀市の情報発信強化アドバイザーに就任。
国内外の主要な広告賞を20種以上受賞。Cannes Lions、AdFest、D&AD、NY Fes、LIA、Spikes Asiaなどの国際賞や、TCC新人賞/TCC賞ファイナリスト、ACC、日本ネーミング大賞、PRアワード、朝日広告賞、広告電通賞、グッドデザイン賞ベスト100、ギャラクシー賞、ユーキャン新語・流行語大賞などの国内賞も。

本書の要点

  • 要点
    1
    「伝える」を「伝わる」に変えるには、「相手の視点になれるかどうか」がポイントだ。
  • 要点
    2
    相手が明確な答えを求めているときは、結論から話す「結論から」の型が有効だ。
  • 要点
    3
    本来のお願いの前に、イマイチな選択肢を提示すると相手の「Yes」を引き出しやすい。
  • 要点
    4
    商談などで良い関係をつくりたいなら、本題に入る前に、相手の興味のある話題を振るといい。

要約

伝え方の「大原則」

「伝える」と「伝わる」の違い

「伝える」と「伝わる」は、たった一文字の違いだが、まったく異なるものである。「伝える」は「自分の伝えたいことを伝えたいように伝える」こと。一方、「伝わる」は「相手にとって伝えてほしいことが伝わる」ことである。両者には、「相手の視点になれるかどうか」という本質的な違いがある。

伝えたいことが伝わらない人は、「伝えること自体」がゴールになっている場合が多い。「こう話せば伝わるだろう」と自己判断で完結しており、相手の状況や気持ちを考慮できていない。

最適な伝え方はその時々で変わるが、そこには必ず「相手の視点」を入れなければならない。

相手のことを理解しようとがんばると、伝え方は上達する。「伝え方の型」を使いこなしていくうちに「相手の視点になって考えて伝える」体質になっていくはずだ。

【必読ポイント!】わかりやすく伝わる「伝え型」

「結論から」の型
P.30「結論から」の型(SB クリエイティブ提供)

「伝えたい情報をわかりやすく伝える」には、どうしたらいいだろうか? その代表的な手法の1つが、「結論から」の型である。

たとえば、「出張は誰が行くことになった?」と質問されたら、「結論は、Aさんと責任者の私の2人で行くことになりました」とまず結論を述べる。それから、その決定に至った経緯や理由を伝えていくといい。話す順番は、以下のようになる。

(1)Aさんと責任者の私の2人で行く

(2)デザインの確認なので、デザイナーのAさんが必要

(3)ただ、Aさんはまだ若く、責任者になれない

(4)だから私が責任者として同行する

「結論から」の型が使えるのは、相手が明確な答えを求めているときだ。具体的には「5W1H(何が、誰が、いつ、なぜ、どこ、どう)」を聞かれた場合である。答えの後に説明が続くときは、「結論は」と前置きするとなおよい。

一方、相手の聞きたいことがはっきりしなくても、「結論から」の型が活きる場合もある。結論を冒頭に持ってくることで、相手の興味関心を引きつける「つかみのインパクト」があったり、先を見通せる「要約」としての効果を与えたりもできる。

「ポイントは3つ」の型

人が一度の説明で覚えられることは、およそ3つと言われている。それを利用して、伝える際は項目を3つに絞ると伝わりやすい。要点を絞って説明することで、理解や納得感が得やすいからだ。

たとえば、日本酒づくりの工程を説明する場合。本来は10以上の工程があるところ、大事なものを3つに絞る。そして「日本酒づくりの工程で、大事なのは3つ! これだけ覚えて帰ってくださいね」と前置いて、その3つについて説明するのだ。

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要約公開日 2024.10.21
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