言葉にする習慣

思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方
未読
言葉にする習慣
言葉にする習慣
思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方
未読
言葉にする習慣
出版社
明日香出版社

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出版日
2024年06月18日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「言葉が詰まってしまって、うまく話せない」「企画書を書こうとしても、それっぽい言葉を並べて終わってしまう」。このような状況に、身に覚えのある人は多いだろう。

少し検索すれば膨大な情報にアクセスでき、生成AIのようなツールが登場している今、「自分の言葉」で語ることの重要性は高まる一方だ。こんな時代だからこそ、借り物の言葉ではなく、「自分の考え」や「自分の思い」にじっくり向き合うことが求められている。

本書は「伝え方」だけを指南するものではない。まずは自分の中にある思いを言葉にする作業が不可欠だという。そして、「伝えたい」思いを自分の中に見つけて考えを形づくるパートと、それを相手に伝わる言葉に変換するパートの2つで構成されている。それぞれにワークがあり、言語化トレーニングを安心して実践できるようになっている。

言語化する力を身につけることの効用は、話すのが上手になる、読みやすい文章が書けるようになる、というだけに留まらない。「自分が何者か。それは自分の言葉で決めることができる」と著者はいう。「言葉にする」力は、自分自身と向き合う力や、相手の心の奥を見つめる力、ひいては自分の未来を切り拓く力ももたらしてくれるのだ。読めば必ず「言葉にする」を磨くための気づきが得られるはずだ。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

さわらぎ寛子(さわらぎ ひろこ)
コピーライター
コトバワークス株式会社代表取締役
1978年京都府生まれ。関西大学社会学部卒。
関西大学非常勤講師。現役コピーライターで、企業の広告制作のほか、企業研修も多く手がける。
24年間コピーライターとして食品、美容、ホテル、学校、病院、製薬会社、電鉄など様々な業種の広告制作を手掛ける。書いたコピーは3万件以上。
2010年「2時間でキャッチコピーが作れる」メソッドを独自で開発。現在は、オンラインとリアルな会場で長期講座を開催。自分メディアを使って集客したい、売上を上げたいと願う経営者や起業家から高い評価を得ている。
著書に、『キャッチコピーの教科書』(すばる舎)、『今すぐ自分を売り出す1行を作れ』(大和書房)、『自分らしさを言葉にのせる 売れ続けるネット文章講座』(ぱる出版)、『発信力を強化する「書く」「話す」サイクル』(ぱる出版)がある。
コトバワークス株式会社:https://www.kotoba-works.com

本書の要点

  • 要点
    1
    言葉にして「伝える」ためには、「自分の思い」がなければならない。まずは自分の中に「自分の言葉」を持つことが大切だ。
  • 要点
    2
    話がまとまらない人は、まとめようとしすぎる傾向にある。大事なのは、相手が必要としている情報を、適切な順番で提示することだ。
  • 要点
    3
    言葉にする習慣は、自分と相手の言葉にならない思いに目を向けることだ。言葉にする習慣が身につくと、心の奥深くで人とつながる関係性を築けるようになる。

要約

【必読ポイント!】 思いを言葉にする

とにかく口に出して、メモをする

伝え方や文章の書き方、話し方の本を読んだだけでは言葉にする力を身につけることはできない。「どんな視点で何を言うか」を決めずに「どう伝えるか」というテクニックに走っても、人の心を動かせないからだ。

本書では、まず、「伝えたいこと」を見つけるトレーニングを行う。自分の中で言いたいことをはっきりさせ、自分の思いや考えをつくっていく。それから、それを相手に伝わる言葉に変換する「伝え方」を身につける。「伝えたいこと」が自分の中で十分にできあがってから、それをどう伝えるかを考える、という順番だ。この順番を守らなければ、形が整っていてもからっぽの言葉になってしまう。

言語化のスタートは、自分の中に思いや意見を育てることだ。とにかく口に出してメモする習慣をつけよう。言葉は、頭の中にあるときはとらえどころがなく、すぐに消えてしまう。口に出してメモすることで、思いの輪郭をとらえることができる。誰かに話したことをメモするのも有効だ。話を聞いてもらっているうちに、頭が整理されることも多いからだ。単語やキーワードだけでも効果がある。

観察する
filadendron/gettyimages

観察眼を養うことも大切だ。うまく言葉にできない人の多くは、いろいろなことを1つの大きな袋に入れてしまいがちだ。

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要約公開日 2024.10.28
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