古今東西のトップリーダーは、話す前に入念な準備を行っている。なぜなら、自身の話を聞いてもらうことは、相手を動かす強力な方法だと知っているからだ。トップリーダーとそのチームによる準備は、人前で話すことが決まったらすぐ始まる。毎年恒例なら3か月から半年前が目安だ。スピーカーを依頼されたら、即手帳にリハーサルスケジュールを記入する。
入念な事前準備をしていたトップリーダーの一例として、安倍晋三元首相が挙げられる。彼は2015年4月29日、米議会の上下両院合同会議で45分間にわたる英語の演説をした。その後、割れんばかりの拍手が沸き起こった。安倍氏は毎日自宅で大声を張り上げて練習をしたという。英語の原稿からは、練習の跡がはっきりと読み取れた。マーカーで大事な部分に線が引かれ、「拍手を促す」といった伝え方の注意点も書き込まれていたのだ。
このように、準備や練習の量と成功の数は比例する。
プレゼンテーションの予定が決まったら、最初にすべきことは次の3点を考えることだ。
(1)目的は何か
(2)メインメッセージは何か
(3)あなたは誰か
1つ目は、なぜあなたがそのプレゼンをするのかである。プレゼンテーションの語源は英語のpresentであり、名詞で贈り物という意味だ。プレゼンはプレゼントと捉えることができる。
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