成功の要因のひとつに、「成功するのはがんばった人ではなく、誰かを幸せにした人」がある。会社で出世する人はお客様か上司か経営者を幸せにしているし、組織やコミュニティで慕われている人は主宰者や周囲の人を幸せにしている。このような人を、本書では≪戦略的いい人≫という。
がんばっているのに報われないと思ったら、自分は誰を幸せにしているか、考えてみよう。人を幸せにできると、自ずと協力者が増えていく。
小田桐あさぎさんの言葉に「成功したいなら、自分ががんばるんじゃない、いかに人の力を借りるかがすべて」というものがある。
では、どうすれば人に力を貸してもらえるのだろうか。
結論から言うと、協力者を得るために必要なのは「ブリッジの視点」だ。著者は、Bridgeの頭文字「B」を使い、「ブリッジの視点」のことを「B視点」、その視点を持った“橋渡し役”を「Bポジション(Bポジ)」と呼んでいる。
Bポジとは、具体的には、以下のような役割を持っている人のことだ。
・人と人をつなぐ、人とモノとをつなぐ
・人や組織の価値を言語化する(T‐UPする)
・組織全体の成功を考えて行動する
・上司(主宰者)や部下(参加者)が発言しにくいことを代弁して橋渡しをする
・誰かがシュート(成約など)しやすいようにパスを出す役割をする
「Bポジ」をしていると周囲の人から必ず感謝され、組織の重要な役割が回ってくるようになる。人の協力を得たいなら、まず自分が今いる組織に「Bポジ」として貢献することからはじめてみよう。
著者が「Bポジ」として貢献した例を紹介したい。
とあるプロジェクトの進行中、「私の経験が役に立ちそう」と思うことがあったため、無料でノウハウをシェアした。すると、成果を出す人が増えて、主宰者にも参加メンバーにも喜んでもらえた。さらにその後、主宰者の予期せぬトラブルを助けたことがきっかけとなり、運営側として一緒に仕事をさせていただくようになった。この他にも大きな組織から声をかけられることが増えた結果、著者の会社は急成長していったのだ。
このように≪戦略的いい人≫になって成功をつかむには、Bポジに徹するとともに、「イージーモード3原則」を意識するとよい。いずれも、ラクにうまくいっている人は自然に取り入れていることだ。次項より一つひとつ解説しよう。
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