戦略的いい人 残念ないい人の考え方
戦略的いい人 残念ないい人の考え方
お金も仲間も増えていく
戦略的いい人 残念ないい人の考え方
出版社
出版日
2024年08月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

自分はわりと「いい人」だと思うし、まわりからも「いいヤツだ」と褒められる。だけど、なぜかいつも損をしている気がする――。そうモヤモヤしている人が本書を読めば、目からウロコが落ちるだろう。

本書の著者、けーりん(唐仁原けいこ)氏も、かつては冒頭のような〈残念ないい人〉だったという。みんなの業務を肩代わりすることも多く、後輩への指導は丁寧に行い、同僚から感謝されることも多い。だけどガツガツいくのは苦手で、つい遠慮してしまう。転職に挑戦したことはあるが、イマイチな結果に終わったそうだ。

そんな〈残念ないい人〉だった著者は、≪戦略的いい人≫になることで、人生がガラリと変わった。本書から引用すると、「自分は得意な仕事だけをし、苦手な仕事はチームに丸投げしても周囲からは感謝され、協力者がどんどん増えていき、立ち上げた会社は2年で年商5億円までに成長」したというから驚きだ。

本書における≪戦略的いい人≫とは「誰とも戦わずに、人の力を借りまくって成功する生き方・働き方をする人」「自分だけでなく、最終的にみんながトクする考え方をする人」を指す。

ここまで読んで「誰かの力を借りまくるなんて、自分には無理」と尻込みしてしまった人も、安心してほしい。本書で指南されるノウハウはごくシンプルだ。毎日のコミュニケーションに取り入れてみれば、周囲があなたを見る目が変わり、大きな成功を手にできるだろう。

著者

けーりん(唐仁原けいこ)(とうじんばら けいこ)
株式会社ライフキャリアcircle代表取締役/Bポジけーりん大学主宰

1980年生まれ、長野県在住、3児の母。コロナ禍で書き始めたブログが話題になり『主婦業9割削減宣言』(中央公論新社)として書籍化。“主体的に生きる”をテーマにしたオンラインコミュニティが人気を博し、フリーランスから法人化したところ2年で年商5億円の会社に成長。組織拡大の要であり重要な役割は「橋渡し=ブリッジ(Bridge)」のポジションであることを見出し、言語化して発信。それをメソッドとして伝える「Bポジけーりん大学」には1年で500名以上が参加。「仕事や人間関係に役立つ」という声が多く寄せられている。

本書の要点

  • 要点
    1
    成功する人は、≪戦略的いい人≫として、誰かを幸せにしている。がんばっているのに報われないと思ったら、「誰を幸せにしているのか?」と考えてみよう。
  • 要点
    2
    人と人をつないだり、人や組織の価値を言語化したりする「Bポジ」を全うすると、周囲に感謝され、力を貸してもらいやすくなる。
  • 要点
    3
    ≪戦略的いい人≫になって成功をつかむには、Bポジに徹するとともに、「イージーモード3原則」を意識するとよい。すなわち「人に頼り、お願いする」「人の手柄を周囲に伝える」「巨人の肩に乗せてもらう」だ。

要約

【必読ポイント!】 成功をつかむ人が実践していること

成功する人の共通点は「誰かを幸せにしていること」

成功の要因のひとつに、「成功するのはがんばった人ではなく、誰かを幸せにした人」がある。会社で出世する人はお客様か上司か経営者を幸せにしているし、組織やコミュニティで慕われている人は主宰者や周囲の人を幸せにしている。このような人を、本書では≪戦略的いい人≫という。

がんばっているのに報われないと思ったら、自分は誰を幸せにしているか、考えてみよう。人を幸せにできると、自ずと協力者が増えていく。

人に力を貸してもらえる「Bポジ」
kyonntra/gettyimages

小田桐あさぎさんの言葉に「成功したいなら、自分ががんばるんじゃない、いかに人の力を借りるかがすべて」というものがある。

では、どうすれば人に力を貸してもらえるのだろうか。

結論から言うと、協力者を得るために必要なのは「ブリッジの視点」だ。著者は、Bridgeの頭文字「B」を使い、「ブリッジの視点」のことを「B視点」、その視点を持った“橋渡し役”を「Bポジション(Bポジ)」と呼んでいる。

Bポジとは、具体的には、以下のような役割を持っている人のことだ。

・人と人をつなぐ、人とモノとをつなぐ

・人や組織の価値を言語化する(T‐UPする)

・組織全体の成功を考えて行動する

・上司(主宰者)や部下(参加者)が発言しにくいことを代弁して橋渡しをする

・誰かがシュート(成約など)しやすいようにパスを出す役割をする

「Bポジ」をしていると周囲の人から必ず感謝され、組織の重要な役割が回ってくるようになる。人の協力を得たいなら、まず自分が今いる組織に「Bポジ」として貢献することからはじめてみよう。

成功をつかむ「イージーモード3原則」

著者が「Bポジ」として貢献した例を紹介したい。

とあるプロジェクトの進行中、「私の経験が役に立ちそう」と思うことがあったため、無料でノウハウをシェアした。すると、成果を出す人が増えて、主宰者にも参加メンバーにも喜んでもらえた。さらにその後、主宰者の予期せぬトラブルを助けたことがきっかけとなり、運営側として一緒に仕事をさせていただくようになった。この他にも大きな組織から声をかけられることが増えた結果、著者の会社は急成長していったのだ。

このように≪戦略的いい人≫になって成功をつかむには、Bポジに徹するとともに、「イージーモード3原則」を意識するとよい。いずれも、ラクにうまくいっている人は自然に取り入れていることだ。次項より一つひとつ解説しよう。

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要約公開日 2025.01.15
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