仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣
仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣
仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣
出版社
明日香出版社

出版社ページへ

出版日
2024年11月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

ビジネスパーソンは年間150時間探しモノをしている――。ある調査によると、このような結果が出たという。1日8時間労働とすると、150時間は約19日に相当する。これだけの時間をモノ探しに費やしているとは驚くばかりだ。

よくビジネス書では「仕事効率化のポイントは、ムダな作業をやめること」と書かれているが、何かを「探す」行為は明らかにムダ作業だ。これを多少なりとも減らせれば、仕事がより効率化することは間違いない。

本書では、物理的な片付けをはじめ、仕事や思考、人間関係、タイムマネジメントなどの「整理の仕方」について解説する。著者は「整理収納アドバイザー」の資格を持つ大村信夫氏だ。大村氏は家電メーカーに勤めるかたわら、「片付けのプロ」として多くの企業で講演や研修を行っている。単なる片付け術にとどまらない効率的な思考法や行動習慣の提案は、多くのビジネスパーソンから好評を得ている。

著者は、「片付けの本質を追求していった結果、“整理できること”がキャリアや人生を整えることにつながるとわかった」と述べている。「片付けはどうも苦手」という人も多いと思うが、基本さえおさえれば大丈夫だ。本書では「片付けの基本」も紹介されているため、ステップ・バイ・ステップで試していってほしい。

本書でのメソッドは気軽に実行できるものばかりだ。ぜひ一読して「整った」人生を送るきっかけにしてほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

大村信夫(おおむら のぶお)
青森県三沢市生まれ。静岡県掛川市にて育ち、現在は東京都在住。
共働きで3児(大・高・中)の子育てパパ。

国立大学法人東京農工大学卒業後、家電メーカーに入社。現在もフルタイムで勤務しながら「片付けパパ」として活動。モノを整理することで「心」や「思考」も整理され、プライベートや仕事の進め方、人間関係など人生全体に好循環が生まれるオリジナルメソッドを提唱。これまで企業を中心に「片付け」「仕事の生産性」「キャリア」などのテーマで3万人以上が受講し、満足度(5段階評価4以上)は96%を超える。
新聞や雑誌をはじめメディア取材、執筆など幅広く活動中。

●主な著書
『片付けパパの最強メソッド ドラッカーから読み解く片付けの本質』(インプレス)
『きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)監修

●公式サイト
https://omuranobuo.net

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事の「整理」ができるようになるには、「片付け」の基本を理解することが大切だ。片付けとは、「整理」→「収納」→「維持」のサイクルを回すこと。まずは必要なモノと不要なモノを分けて、不要なモノを手放すことから始めよう。
  • 要点
    2
    上司から依頼された仕事は、「見積り時間の2割ほど作業した時点」で確認しよう。
  • 要点
    3
    目標を達成するには、達成後のビジョンをできるだけ明確に描くことがポイントだ。
  • 要点
    4
    うまくいかないときは、「あせらず」「あわてず」「あきらめず」「あてにせず」の4つの「あ」を意識して乗り越えよう。

要約

「片付け」の基本

必要・不要を分ける

仕事や時間、人間関係などの「整理」ができるようになるには、「片付け」の基本を理解することが大切だ。

片付けとは、「整理」→「収納」→「維持」のサイクルを回すことで、以下のように分類できる。

・整理:必要・不要を分けて、不要なものを手放す

・収納:必要なモノをすぐに取り出せるようにスタンバイさせる

・維持:使ったモノを元に戻したり、モノが増えたら減らしたりする

片付けの際は、「整理から収納」という流れを必ず守らなければならない。一見地味な整理こそ、片付けを成功させるカギとなるからだ。

著者は整理収納アドバイザーの勉強をしていたとき、収納から片付けを始めるとモノが増えてしまうことに気がついた。不要なモノをしまい込んでしまうと片付けられたように見えるため、ついまたモノを買ってしまうからだ。

片付けは整理から始めて、まず不要なモノを手放そう。不要なモノが減ると収納や維持がラクになるうえ、部屋もスッキリとする。

勇気を出して手放す
sekulicn/gettyimages

「いつか使うかも……」と思いながら、結局捨てられないモノはないだろうか。これを何度も繰り返すと、部屋は不要なモノであふれてしまう。

この悪循環は、「やらないことを決めること」で断ち切れる。これは「劣後順位」という考え方で、かのピーター・ドラッカーも「やらないことを決めることが重要だ」と言っている。片付けも同じで、本当に必要なモノだけ残すには、モノに対して「劣後順位」を決めることが大切だ。

では、何を基準に手放す・手放さないを決めればいいか? 著者は「1年間未使用で、現時点で使う予定が決まっていないモノ」を基準にしている。アメリカの国際記録管理協議会の統計によると、作成された文書が1年後に使われる確率はたった1%なのだという。著者はこの見解は、モノにも当てはまると考える。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3502/4264文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.01.20
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
鬼時短
鬼時短
小柳はじめ
自分の価値のつくりかた
自分の価値のつくりかた
安田雅彦
朝1分、人生を変える小さな習慣
朝1分、人生を変える小さな習慣
小笠原藤子(訳)リュ・ハンビン
戦略的いい人 残念ないい人の考え方
戦略的いい人 残念ないい人の考え方
けーりん
うまく話さなくていい
うまく話さなくていい
澤円
なぜ部下は不安で不満で無関心なのか
なぜ部下は不安で不満で無関心なのか
片岡裕司山中健司
プレイングマネジャーの基本
プレイングマネジャーの基本
伊庭正康
会社はあなたを育ててくれない
会社はあなたを育ててくれない
古屋星斗