仕事や時間、人間関係などの「整理」ができるようになるには、「片付け」の基本を理解することが大切だ。
片付けとは、「整理」→「収納」→「維持」のサイクルを回すことで、以下のように分類できる。
・整理:必要・不要を分けて、不要なものを手放す
・収納:必要なモノをすぐに取り出せるようにスタンバイさせる
・維持:使ったモノを元に戻したり、モノが増えたら減らしたりする
片付けの際は、「整理から収納」という流れを必ず守らなければならない。一見地味な整理こそ、片付けを成功させるカギとなるからだ。
著者は整理収納アドバイザーの勉強をしていたとき、収納から片付けを始めるとモノが増えてしまうことに気がついた。不要なモノをしまい込んでしまうと片付けられたように見えるため、ついまたモノを買ってしまうからだ。
片付けは整理から始めて、まず不要なモノを手放そう。不要なモノが減ると収納や維持がラクになるうえ、部屋もスッキリとする。
「いつか使うかも……」と思いながら、結局捨てられないモノはないだろうか。これを何度も繰り返すと、部屋は不要なモノであふれてしまう。
この悪循環は、「やらないことを決めること」で断ち切れる。これは「劣後順位」という考え方で、かのピーター・ドラッカーも「やらないことを決めることが重要だ」と言っている。片付けも同じで、本当に必要なモノだけ残すには、モノに対して「劣後順位」を決めることが大切だ。
では、何を基準に手放す・手放さないを決めればいいか? 著者は「1年間未使用で、現時点で使う予定が決まっていないモノ」を基準にしている。アメリカの国際記録管理協議会の統計によると、作成された文書が1年後に使われる確率はたった1%なのだという。著者はこの見解は、モノにも当てはまると考える。
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