自分の価値のつくりかた
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出版社
フォレスト出版

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出版日
2024年12月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「仕事が楽しくないし、やりがいも感じない」「平日はどんより、休日はいきいきしている」――そんなあなたは本書を読むべき人である。

本書の著者、安田雅彦氏は人事のプロフェッショナルだ。西友、グッチグループジャパン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アストラゼネカ、ラッシュジャパンを経て、株式会社We Are The Peopleを設立。約30社の人事顧問を務めている。

本書ではそんな安田氏が、毎日ワクワクしながら仕事をする方法を教えてくれる。その具体的な方法は、あなた自身の「パーパス」(どのような価値を世の中に与えたいか)を設定し、仕事を通してパーパスを実現していくことだ。パーパスを実現する手段になるから、仕事へのモチベーションが高まるし、成果も出やすくなる。

といっても、多くの人は「仕事を楽しんでいる自分なんて想像できない」「今の仕事と自分のやりたいことはかけ離れているから、パーパスなんてつくったって無駄」と思うかもしれない。だが本書を読み進めるうちに、仕事を通して自分のパーパスを実現する方法が見えてきて、胸が高鳴るはずだ。

このメソッドはそもそも、安田氏自身が自分らしく幸せに生きるために実践してきたものだという。今の仕事を楽しめていない人ほど、ぜひ本書を手に取ってほしい。やりたいことがなくても大丈夫。パーパスを設定し、実現に向けて行動し始めると、あなたの人生はより明るい方向へと進むはずだ。

著者

安田雅彦(やすだ まさひこ)
株式会社We Are The People代表取締役/株式会社フライヤー社外取締役/ソーシャル経済メディア「NewsPicks」プロピッカー
1967年生まれ。1989年に南山大学を卒業後、西友にて人事採用・教育訓練を担当。子会社出向の後に同社を退職し、2001年よりグッチグループジャパン(現ケリングジャパン)にて人事企画・能力開発・事業部担当人事など人事部門全般を経験。2008年からはジョンソン・エンド・ジョンソンにてSenior HR Business Partnerを務め、組織人事や人事制度改訂・導入、Talent Managementのフレーム運用、M&Aなどをリードした。2013年にアストラゼネカへ転じた後に、2015年5月よりラッシュジャパンにてHead of People(人事統括責任者・人事部長)を務める。2021年7月末日をもって同社を退職し、以後は自ら起業した株式会社We Are The Peopleでの事業に専念。現在、約30社のHRアドバイザー(人事顧問)を務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分のパーパスを考えるにあたっては、自分自身の「欲望」「仕事」「価値」を深く考察し、これらの相関関係を見出す必要がある。まずは「欲望」と「仕事」の接点を探してみよう。
  • 要点
    2
    パーパス実現のための目標を立てる際には、「5年後・3年後・1年後のビジョン」「過去に自分自身のエンゲージメントが高かった時のこと」「働くうえでの自分自身の現状(満足していること、不満なことなど)」「自分の強み/伸びしろがあると思うこと」「キャリアプランを実行するために必要だと思うスキルや経験」「キャリアプランを実現するために6ヶ月以内に実施する具体的な行動」を考えよう。
  • 要点
    3
    目標を達成するためには「他人との信頼関係」を蔑ろにしてはならない。

要約

【必読ポイント!】 自分のパーパスをつくる

パーパスが必要な理由

今や、企業の社会的価値に共感が得られなければモノやサービスが売れず、人材も集まらない時代になった。こうした時流に合わせて「社会にどのような良い影響を与えているのか」「どんな社会をつくりたいのか」という理念を中心においた「パーパス経営」をする企業が増えている。

パーパス経営をする企業に勤める人は、自社のパーパスに共感し、「自分が世の中に提供したい価値」と「企業が世の中に提供したい価値」に接点がある状態が理想とされている。なぜなら、自分と自社のパーパスに接点があればエンゲージメント(自社に対する愛着や思い入れ)が強くなり、企業とWin-Winの関係を築けるからだ。つまり、企業のみならず個人にもパーパス(どのような価値を世の中に与えたいか)が求められているといえる。

「欲望」と「仕事」を結びつける
Nattakorn Maneerat/gettyimages

自分に合ったパーパスをつくるには、自分自身の「欲望」「仕事」「価値」を深く考察し、これらの相関関係を見出す必要がある。

「欲望」と「仕事」を結びつける理由は、社会人は仕事の時間が人生の大部分を占めているため、仕事を通して自分の欲望を満たせると効率がよいからだ。ぜひ無理やりにでも欲望と仕事の接点を探してほしい。

欲望を探すときのポイントは、「こんなこと恥ずかしくて書けないよな」や「世間体が悪いから書かないでおこう」とは思わず、自分の心に素直になることだ。著者の場合、「チヤホヤされたい。しかもありのまま一生懸命に生きていたらなんだかチヤホヤされる状態になっていた」といった欲望が思いついた。

欲望を書き出せたら、次に「その欲望をどのように実現したいか」を考える。著者にとって「チヤホヤ」とは、「歩いていたら知らない人から声をかけられる」や「イベントの登壇依頼が殺到する」だ。しかも、自らチヤホヤされにいくのは嫌だから、インフルエンサーになるために努力したり飲み会を企画して人を誘ったりするのは違和感がある。

では、どのようにすれば「ありのまま一生懸命に生きていたらチヤホヤされていた」状態になれるのか。いろいろ考えて出した結論は、「人事のプロフェッショナル」という仕事にコミットして結果を出し、まわりの人から必要とされる人間になることだ。

ここであなたにも「欲望を仕事で満たす方法」について考えてみてほしい。たとえばあなたが「誰にも縛られず、自由に働きたい」という欲望と、それを「趣味であるヨガのインストラクターの活動で実現したい」というビジョンを持っており、動画に出たり本を出したりしたいとしよう。さて、今の仕事や環境でできることはあるだろうか。

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要約公開日 2025.01.22
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