人は話し方が9割 2

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人は話し方が9割 2
出版社
出版日
2024年12月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

2019年に出版され、140万部を超える大ベストセラーになった『人は話し方が9割』。この大きな反響に、著者である永松茂久さんは、「こんなに多くの人が、会話で悩んでいるんだ」と驚きを新たにしたそうだ。永松さんによれば、多くの人は会話を難しく考えすぎている。会話はもっと簡単にうまくいく。それを実感してもらうために生まれたのが、続編である本書『人は話し方が9割 2』である。

本書がまず教えてくれるのは、無理して苦手な人と話そうとしなくていいということだ。会話に苦手意識があるのならなおさら、まずは話しやすい人とたくさん話して、成功体験を積むのが会話上達の近道だというのだ。この考え方を知るだけでも、会話へのハードルがぐっと低くなる。

そのうえで本書が大切にするのは、相手が気持ちよく話せるような気くばりをすることだ。そのための具体的な手法として、会話上手が自然にやっている相手が話しやすい空気を作るための話し方が、ステップごとに紹介されている。まずは1ステップ目だけでも取り組めば、効果が期待できそうなのがうれしい。

何より、会話が苦手な自分、苦手な人と話したくないと思ってしまう自分を、優しく包み込んでくれるような著者の温かい語り口のおかげで、読んでいるだけで気持ちが軽くなっていく。前作を超える内容と実用性の高い本書は、仕事やプライベートの会話に悩む人の悩みに寄り添ってくれる。会話をもっと楽に、楽しくしたいと願うすべての方に、本書をおすすめしたい。

ライター画像
池田友美

著者

永松茂久(ながまつ しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN 代表取締役。
大分県中津市生まれ。
2001年、わずか3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング陽なた家は、口コミだけで毎年4万人(うち県外1万人)を集める大繁盛店になる。自身の経験をもとに体系化した「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施。「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累計動員数は延べ80万人にのぼる。
2016年より拠点を東京麻布に移し、現在は自身の執筆だけではなく、次世代の著者育成、出版コンサルティング、出版プロデュース、出版支援オフィス、講演、セミナーなど、数々の事業を展開する実業家である。
著作業では2020年、『人は話し方が9割』(すばる舎)が日本ビジネス書ランキングで1位を獲得(日販調べ)。続く2021年、すべての書籍を含む年間ランキングで総合1位(日販調べ)に輝く。翌2022年、ビジネス書ランキングで史上初の3年連続日本一を達成し(日販調べ)、単冊100万部を突破。2024年11月現在、140万部(電子書籍含む)を突破し、日本のすべての書籍ランキングで令和No.1のベストセラーとなる(CDP CANTERA調べ/書籍/令和元年5月~令和6年10月)。
著書に『拝啓、諭吉様。もし現代の若者が『学問のすすめ』を学んだら』『喜ばれる人になりなさい』『人は聞き方が9割』『リーダーは話し方が9割』(すばる舎)、『30代を無駄に生きるな』『20代を無難に生きるな』(きずな出版)、『君はなぜ働くのか』『君は誰と生きるか』(フォレスト出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)など多数あり、累計発行部数は450万部を突破している。

本書の要点

  • 要点
    1
    会話に大事なのはスキルよりメンタルである。自分は話し下手だという思い込みを手放すことが、会話を上達させるための最初のステップだ。
  • 要点
    2
    相手に気持ちよく話させてあげる気くばりが、会話を成功させるコツだ。会話が上手な人は、感嘆、称賛、反復、共感、質問という流れで、相手が話したくなる雰囲気を作っている。
  • 要点
    3
    100%会話がうまくいく究極の一言は「ありがとう」である。感謝の言葉が自然に出てくる会話こそが究極の話し方だ。

要約

話し方以前の大事なこと

なぜ、「話すのが苦手」な人が多いのか

自分のことを「話し下手」だと思っている人は、「〇〇すべき」という思い込みにとらわれている。この「べき」から抜け出すことが、会話上手になるための第一歩だ。

コミュニケーションのサポートをする著者はよく、苦手な人とどうやったらうまく会話ができるかと質問される。著者が前作で伝えた中で一番反響が大きかったのは、会話上手になるには苦手な人と話す時間を極力減らし、自分が話しやすい相手と話す時間を可能な限り増やすことだと伝えた箇所だ。こう聞くと、真面目な人ほど戸惑ってしまうことが多いようだ。もちろん、苦手な人ともうまく話せるに越したことはないが、それはもう少し会話に自信が持てた後に取り組めばいい。ゲームと同じで、初心者がいきなりラスボスに挑んでも勝てないように、会話が苦手なら最初は簡単なところから取り組んで、レベルを上げてから、難しい相手にチャレンジする必要があるのだ。

コミュニケーション能力が高い人は、これまでの会話で成功体験をたくさん積んできている。つまり、自分の話を聞いてくれる人を選んでたくさん話し、自分は会話が得意だと思えるような機会をたくさん持ってきたのだ。会話上手になるのは難しいことではない。好きな人と話して、会話の成功体験を増やそう。

スキルを身につける前に、メンタルを整える
VioletaStoimenova/gettyimages

会話が苦手だと思っている人でも、慣れている相手と話すときは緊張せずに話せることが多い。会話が苦手だと思っている人でも、大切な人の力になりたいと思ったときなら、驚くほどいい話ができていることもある。ならば、その人には本来話す力があるということだ。

それなのに、人前に出たり、初対面の人と対峙したりすると話せなくなってしまうのは、スキルではなくメンタルの問題だ。つまり、会話が苦手なのではなく、苦手だと思い込んでいるのが問題なのだ。

人と話をするうえで、まず大切なのは、あなたがいい気分でいられる相手と話し、あなた自身がご機嫌でいることだ。そうすれば、会話の時間はあなたにとって豊かなものになる。人は人生の多くを会話を通したコミュニケーションに費やしている。だからこそ、ふだんの会話の出来が、人生の質を左右するのだ。

もっと自分を大切にしよう

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要約公開日 2025.01.07
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